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Surfer の工業排出物への応用

マードック大学 (オーストラリア) Bradley Evans

工業排出物は、産業革命以降、大変な問題となっています。新しい産業の信奉者も、また規制する当局の側でも、そうした排出物が人間に与える影響をビジュアルに示すツールを必要としています。これらの影響の背後にある真実を明らかにするために、最先端のモデリング技術が用いられます。当局が実施する環境アセスメントにおいては、排出物が環境を悪化させないことを事業者の側が明らかにしなければなりません。

科学的データを視覚的にわかりやすく表現するのが難しいため、廃棄物の濃度をグリッド形式で表現したデータがしばしば用いられます。Golden Software 社の Surfer プログラムは、こうしたデータを簡単にビジュアル化することができます。Surfer は、規制や政策を勘案する際に大変便利なツールです。

排出物の出る施設を、町の中に作る計画があるとしましょう。そうすると、行政機関や町の人々に対して、排出物がどのように拡がってゆくのか、ビジュアルにわかりやすく説明する必要があります。Surfer を使えば、等高線マップと配置図を組み合わせて、わかりやすいマップを簡単に作ることができます。

図1 Surfer の等高線マップと配置図を用いて、大気汚染物質の分布状況をプロット

 

Surfer は、図1 のように軸スケールや等高線、塗りつぶしなどをフレキシブルに設定することができるだけでなく、Site1、2、… などの情報を表示している配置図 (ポストマップ) など、他の種類のマップと等高線マップを重ね合わせることができます。基準とするマップ形式が決まったら、それをテンプレートに保存しておき、再度同じ形式でマップを作ることができます。優れた形状生成プロセスやベクトルマップなどによって、Surfer は直感的でわかりやすいグラフを作成できます。例えば図1 では、Site 1 で 1000 μgm-3 という高濃度で排出物が排出され、周辺にゆくにしたっがって 200〜300 μgm-3 へと減ってゆくことが、容易に理解できます。また排出源から拡がっていく様が、等高線でわかります。こうしたマップは、事業者および当局どちらにとっても、排出物の影響を直感的に把握するために重要です。

もう少しリアリティのあるイメージが必要な場合でも、Surfer はそれに応えることができます。Surfer がもつベースマップは、ベクトルデータにラスターイメージを重ね合わせることができます。例えば、図1 の等高線マップと配置図に航空写真を重ね合わせることが可能です (この場合は、図1 のマップの下に写真を重ねます) 。これにより、リアルな排出物の拡散状況をみることができます。

図1 Surfer の等高線マップと配置図を用いて、大気汚染物質の分布状況をプロット

 

Bradley Evans is a PhD candidate in the Department of Environment and Conservation at Murdoch University, Australia.