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フォードホール農場の遺跡調査プロジェクト 2009

James Goodhind

概要

英国の 2009 年遺跡調査プロジェクトで、Surfer がグラフ作成のために活用されました。イングランド・シュロップシャー州にあるフォードホール農場には、ノルマン王朝時の城跡があります。城跡は、有機農業と田園生活を広めるために設立された慈善事業団体 Fordhall Community Land Initiative の所有する敷地内にあります。

イングランド・シュロップシャー州にある城跡
イングランド・シュロップシャー州にある城跡の 3D 画像

背景

ウィリアム征服王がイングランドに上陸し、へースティングの戦いでハロルド王を破ったのが1066年。以後、ノルマン人は新しい領土を統治するために、イングランド各地に城を築きました。フォードホール農場の城はキャッスルヒルという名で、ノルマン式の城の典型として知られています。これらの城はだいたい、壕や堤に木製の柵や城壁を設けた構造をしています。石積みの構造物は、建設が大変なため、重要拠点にしか採用されていません。キャッスルヒルの木造構造物は、すでに朽ち果てていますが、豪や堤の跡は残っています。このプロジェクトは、残され城跡を調査し、文献とつきあわせて歴史的な検証を行うことです。

 

調査

遺跡の調査

プロジェクトチームは、5人の研究者が 2つの区画に分けて調査に当たりました。東西南北方向から城に通じる道すべてを含んだ約 200 平方m の 2つの区画が、並べて設けられています。プロジェクト主催者以外のボランティアは、ほとんどが遺跡調査の未経験者です。そのため初日に区画のすべての場所で基本的なトレーニングを行った後、2日間かけて丹念に調査を行いました。最終的には、調査対象区域内 433 地点の調査データが集まりました。短期間のあわただしい調査であることを考慮すれば、非常によい結果が得られました。

 

Surfer の利用

Surfer プログラムは、調査レポートのうちの等高線マップおよび 3D イメージを作成するために使用しました。Excel のスプレッドシートにまとめられた調査データを使用して、非常に高品質なマップとイメージを作成することができました。これを見ると、北東方面はさらに詳細な調査が必要なことが見て取れますが、ノルマン式の城の全体像はよく理解できます。

調査区域の等高線マップ
調査区域の3D イメージ

プロジェクトの成果

キャッスルヒルの調査によって、ノルマン人がどのようにブリテン島を統治したのか、多くの知識を得ることができました。すなわちキャッスルヒルは、小規模なノルマン騎兵の駐屯地でしたが、その機動力を駆使して、中央と地方を結ぶ輸送拠点となっていました。キャッスルヒルはまた、他の小さな城ととともにノルマン人の占領下にあった地方都市マーケットドレイトンを囲み、それを監視する役目も果たしていました。

 

将来

シュロップシャー州フォードホール農場の小城キャッスルヒルは、さらなる調査が必要です。すなわち、最盛期にはどのくらいの規模があったのか、建築物はどのくらいあったのか、建築物は何のためのものだったのかなど、いろいろな疑問が湧いてきます。それらの調査は、まだ手つかずです。

すばらしい等高線マップと3Dイメージを可能にした Surfer プログラムの開発元 Golden Software 社に感謝をいたします。また Fordhall Archaeology Project 2009 (フォードホールの遺跡調査プロジェクト 2009) あるいは Fordhall Community Land Initiative についてさらに知りたい場合は、www.Fordhallfarm.com の Contact Us をクリックしてご連絡下さい。

James Goodhind
プロジェクト主任