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VIBRATZ は、化合物の原子価力 (原子間の結合と角度) を用いて光学的な基本振動をモデリングするソフトウェアです。VIBRATZ は基本振動数のみを計算し、オーバートーン(倍音)や、コンビネーション(結合)の計算は行いません(これらは、スペクトルにおいて通常は非常に弱い値をとるためです)。一般に、n 個の原子を有する分子においては、3n-6 個の基本振動が存在します。
VIBRATZ は、以下に示す5つを入力します。
VIBRATZ は、全ての力を直交座標系(Cartesian)に変換し、直交行列を使用して対称性の解析を実行し、永年方程式 (secular equation) を解くため、そこで使用できる内部座標の数に制限はありません。また、内部座標間の重複性の関係を明示的に考慮する必要もありません。
結合および角度を設定するダイアログは、原子タイプおよび結合長と角度の範囲の指定によって成り立っています。原子タイプには、通常、化学種(原子番号)を入力します。ただし、結合と角度をより厳密に限定するために、それらは入力原子とは対称的に区別されたものになる場合もあります。Angles(角度の設定) には、4原子間のねじれ角(4-atom torsion)、結合面の曲げ(bond-plane bending)、3原子間の原子価角度(3-atom valence angles)が含まれます。内部座標の任意の対どうしの相互作用を指定できます。
これらの情報が揃うと、VIBRATZ は、 対称性を分析し、振動数を計算し、対称種(symmetry species)を分類します。それは、各振動に含まれる原子変位と、結合や角度(およびそれらの相互作用)によって与えられる振動の全エネルギーの割合(fraction)を提供します。個々の原子の直交座標の変位という点からみると、原子間力の行列 (interatomic force matrix) は、この計算を通じて得られる副産物です。それは、弾性特性の計算等の別の目的のために利用されることもあります。
力の定数と対称種の両方の選択において、力の定数の最小二乗法による調整 (Least-squares adjustment) を実行できます。
シンプルなスペクトル強度モデルを使用して、赤外線スペクトルとラマンスペクトルの合成を描画することもできます。個々の偏光成分とスペクトルの平均を表示することもできます。原子の運動をグラフィカルに表示できます。