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"利得等化" や "利得均一化" という言葉は、光ファイバー通信の分野から来ています。ここでは、エルビウムがドープされたファイバーが、ファイバーを通過する光の増幅のために使用されています。この増幅器は波長に従属する性質があります。すなわち、ある波長は他の波長より増幅が大きいという具合です。利得均一化フィルターはすべての波長をほぼ同じ強度に戻します。エルビウムがドープされたファイバー増幅器 (EDFA) は 1530-1565 nm 波長範囲で作用します。
この種のフィルターには多くの実用性があります。たとえば、可視波長 380-780 nm の連続スペクトル光源を白色光源に変換できるフィルターがあります。すなわち、フィルターを通すことにより、普通の電球からの光をほとんど純粋の白色光にできるのです。
このフィルターのデザインを紹介する文献は次のとおりです:
M. Tilsch, C.A. Hulse, K.D. Hendrix, R.B. Sargent, "Design and demonstration of a thin-film based gain equalization filter for C-band EDFAs", presented at the 1999 NFOEC conference.
次のプロットは EDFA アウトプットの相対強度を示しています。もしこれを対数 dB スケールでプロットすると、アウトプットは 8 dB の範囲になります。
TFCalc の最適化機能を使って、EDFA のアウトプットを均一にする利得均一化反射フィルターをデザインします。これにより公差が ±0.5 dB のほぼ均一な状態になります。一般的に、公差は実際のフィルターで狭くなります。
TFCalc には、EDFA のアウトプットとコーティングの反射率 (か透過率)を最適化する機能が備わっています。この機能をつかって、フィルターのアウトプットをできるだけ均一にします。上のプロットから分かるように、フィルターがエンドポイント(1527.3 と 1566.3 nm)において 100% 反射(あるいは透過)しても、アウトプットは 20% に過ぎません。 それゆえ、すべての波長範囲で、フィルター化された EDFA の均一化されたアウトプットが 20% を越えることはありません。もしターゲットのアウトプットが 20% 以下なら、デザインはいくらか簡単になります。
Tilsch その他は、この文献で反射フィルターに言及しています。このようなフィルターをデザインするために、100-レイヤーのデザイン (HL)^50 から始めます。ここで, H はインデックス 2.25 の 1.2 QWOT で、L はインデックス 1.45 の 1.2 QWOT です。参照波長は 1530 nm です。基板のインデックスは 1.44 です。入射を法線(垂直)としますが、現実では、フィルターは小さな角度を持つように配置されます。 次の最適化ターゲットを使います:
EDFA * 反射率 = 波長 1527.3 から 1566.3 で 17.5%
全部で 201 の等間隔ターゲットが使用されます。アウトプットをできるだけ均一にするには、最適化のあいだ、ベキ数=16 を使います。この結果 91-レイヤーのデザインが作成されました。白色光におけるフィルターのパフォーマンスを次に示します。
次のプロットは、フィルターを通過した EDFA のアウトプットを表わしています。もしこれが dB スケール上でプロットされると、誤差のない製造と仮定して、デザインが ±0.5 dB 要求に合致することが明らかになります。
透過フィルターの使用に利点があるかどうかを知るために、デザインを1つ試みてみます。ほとんどの詳細は反射フィルターと同じですが、今回 101-レイヤーのデザイン (HL)^50 H で始めます。ターゲットは次のとおりです:
EDFA * 透過率 = 波長 1527.3 から 1566.3 で 17.5%
1つの連続ターゲットを使います。ここでも、ベキ数=16 とします。最適化のあいだ、レイヤーの厚さを 0.5 QWOT 以上に拘束することで、非常に均一なアウトプット(±0.12 dB 以下)をもつ 101-レイヤーのデザインを見つけることができます。次にそのアウトプットを dB スケールで表示します。
最小製造誤差
レイヤーの厚さを任意に変更することにより、TFCalc はデザインの製造生産性を調べることができます。Tilsch その他の文献で説明されているデザインは、製造における最大誤差 0.05% を要求しています。この誤差限度において、もしレイヤーの厚さが 100 nm なら、厚さは ±0.5 オングストローム以内で検討されなければならないことに注意してください。次のプロットは、レイヤーが ±0.05% で一様に変化するように設定された場合の、1000の任意のデザインの反射フィルターのパフォーマンスの範囲を示しています。
0.05% でさえ許容できるように見えます。TFCalc の感度最適化機能を使って、製造誤差に対する感度のより低いデザインを発見しようと思います。プロシージュアはむしろ遅い方ですが、待つ甲斐のある結果が得られるでしょう。我々は1000の任意のデザインの感度を最適化する道を選びました。1 GHz Pentium 上で、これは数時間かかります。次は改良されたデザインの感度解析です。厚さの誤差に対する感度がかなり低いデザインが見つかったことに注意してください。
EDFA の強度が高いときにフィルターのパフォーマンスをより均一にすると、感度最適化が働くように見えますが、最適化の機能は実際にそれ以上のことを行います。一般的に、EDFA の強度が高いところでより均一になるフィルターをデザインするだけなら、それはまだ厚さの変化に非常に敏感であることが数値計算により分かっています。感度最適化は感度の低いデザインを発見しますが、それだけでなく、EDFA の強度が高い波長におけるより均一なアウトプットをもつようになります。
この作業は Tilsch その他の文献ほど徹底的に行われてはいませんが、感度を最適化することにより、デザインのパフォーマンスを改良できることは分かります。
物質 デザイン1 デザイン2 N225 173.22 183.23 N145 266.11 283.45 N225 170.37 187.68 N145 281.70 310.91 N225 241.67 232.70 N145 499.80 486.55 N225 149.42 123.93 N145 216.86 239.55 N225 170.23 182.06 N145 276.29 300.51 N225 162.25 185.72 N145 260.42 264.95 N225 176.10 151.72 N145 249.71 215.61 N225 389.76 404.62 N145 244.24 250.29 N225 176.51 176.04 N145 269.84 258.26 N225 172.68 161.16 N145 351.00 358.60 N225 318.17 316.63 N145 285.93 279.08 N225 158.51 181.70 N145 246.70 282.89 N225 177.51 169.19 N145 290.04 253.96 N225 166.26 165.89 N145 265.69 263.71 N225 187.39 176.44 N145 311.12 322.47 N225 266.31 283.07 N145 353.44 322.81 N225 183.75 179.50 N145 268.79 273.76 N225 177.71 179.47 N145 267.34 275.20 N225 180.82 186.31 N145 265.61 285.18 N225 179.56 191.58 N145 310.69 307.51 N225 201.44 191.85 N145 337.80 335.97 N225 546.46 539.71 N145 419.51 418.70 N225 180.85 182.18 N145 261.04 270.87 N225 173.18 179.08 N145 264.37 276.37 N225 172.93 185.79 N145 264.15 256.11 N225 175.67 168.30 N145 265.07 260.12 N225 178.47 199.99 N145 251.01 244.43 N225 182.79 199.31 N145 596.29 582.84 N225 115.52 114.77 N145 244.92 217.38 N225 173.55 177.19 N145 263.13 271.27 N225 168.53 174.83 N145 265.62 276.17 N225 172.31 179.17 N145 264.86 274.15 N225 175.52 180.52 N145 280.45 288.85 N225 176.08 183.83 N145 243.23 239.70 N225 245.25 215.08 N145 177.49 231.26 N225 358.93 358.44 N145 262.76 255.62 N225 176.24 171.92 N145 245.65 223.47 N225 166.69 160.65 N145 255.30 259.85 N225 165.34 169.67 N145 256.16 275.05 N225 412.72 403.73 N145 239.67 218.93 N225 175.49 175.58 N145 273.85 297.29 N225 140.82 169.58 N145 297.28 309.52 N225 219.98 193.75 N145 493.44 484.74 N225 168.57 157.29 N145 282.43 319.13 N225 175.48 186.11 N145 274.12 303.92 N225 173.02 181.17