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コーティングデザイン

新しい薄膜偏光ビームスプリッター

文献 *, Li Li and J.A. Dobrowolski, "New developments in thin film polarizing beamsplitters", in Optical Interference Coatings, Vol. 9, OSA Technical Digest Series, (Optical Society of America, Washington DC, 1998), pp. 158-160.

これは1998年6月に開かれた Optical Interference Coatings 会議に提出されたもので、著者たちは、ハイパフォーマンス偏光ビームスプリッターの新しいデザインについて述べています。この偏光子には次の利点があります: 非吸収、広帯域、広角度、高減衰比 (Ts/Tp と Rp/Rs)。次のダイアグラムは、この偏光子のはたらきを示しています。

コーティングは2つのプリズムにはさまれています。S 偏光された光が、他のデザインとは逆に、透過することに注意してください。また、光がコーティングに非常に大きい角度で当たることにも注意してください。

この製作者はコーティングデザインの詳細を明らかにしていませんが、TFCalc を使ってこのような偏光子を作成することは可能です。ここで我々はプリズム中の角度 65-75 度で作用する 400-700 nm の偏光子をデザインします。このデザインは高いインデックスのガラスプリズムが必要で、使用されたインデックスは 1.85 です。これは空中の角度の範囲が ±9.28 になり、広い角度と考えられます。我々は次の連続する最適化ターゲットを使います:

  • S 透過率 > 99.9%、波長 400-700 nm、角度 65,66,…,75
  • P 光学密度 > 3.0、波長 400-700 nm、角度 65,66,…,75

このコーティングをデザインする方法はいろいろあります。簡単な方法は、上で与えられた波長と角度で P 偏光を反射する (0.5H L 0.5H)^n のようなスタックで始め、次に最適化を使ってコーティングに S 偏光を透過させます。ここで H と L はインデックス 2.35 と 1.45 の四分の一波長を表わします。もし n=10 と設定した 21 レイヤーのデザインで始めれば、上で与えられた最適化ターゲットに当てはまるというテストの結果もあります。パフォーマンスを次に示しますが、左のスケールは P 反射率の光学密度、右のスケールは S 透過率です。消光比はすべてのデザイン角度と波長で 1000 より大きくなります。

  • 次にデザインを示しますが、最初のレイヤーは基板に一番近く、厚さの単位は nm です:
        H     11.16
    L     48.87
    H     35.94
    L     68.58
    H     39.50
    L     79.77
    H     46.20
    L     96.61
    H     49.71
    L    102.74
    H     50.49
    L    102.74
    H     49.71
    L     96.61
    H     46.20
    L     79.77
    H     39.50
    L     68.58
    H     35.94
    L     48.87
    H     11.16
    

不思議なことですが、最適化がオリジナルデザインの対称性を保持していることに注意してください (例えば、レイヤー 1 と 21、 2 と 20、 3 と 19、 等が同じ厚さ)。製作者はこの独創的な偏光子を特許の対象になると賞賛しています。しかし、この偏光子には2つの欠点があるように見えます: (1) プリズムが大きいので使用できないものがあり (2) プリズムが他の問題を招く高いインデックスのガラスを必要とするように見えることです。 *最近、この偏光子の詳細を説明する論文が発表されました。次を参照ください:

Li Li and J.A. Dobrowolski, "High-performance thin-film polarizing beam splitter operating at angles greater than the critical angle", Applied Optics, Vol. 39, No. 16, pp. 2754-71.