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Focus on: レイヤー変化率

TFCalc 3.0 では、新たにコーティング各層の変化率を計算することができます。一般的に、これはコーティーング設計が最適化された後、実行されます。各レイヤーが最適化されると、レイヤーの厚さのわずかな変化でも非常によく merit function に反映されることが示されます。最適化されたレイヤーのみ結果が表示されます。以下のプロットは、17層の反射防止コーティングの変化率です。

このグラフを理解するためには、考慮すべきことが2点あります。

  1. 最適化が完璧になされたとき、第1次変化率はきわめてゼロに近い値を示します。この場合には、"谷"の勾配が急であることを第2次変化率が示しています。第2次変化率で約0.002 を示すレイヤー14 は、明らかに最大変化率を表しています。したがって、レイヤー14 の厚さが dx nm 変わったとすると、merit function は 0.002 dX^2 だけ増加します。
  2. 最適化が完璧でない場合、第2次変化率は"谷"の底にいっていないので定義できません。この場合、第1次変化率は厚さの変化に伴う merit function の増減を表します。あるレイヤーの第1次変化率をQ、厚さの変化をdxとすると、merit function はQ dx だけ変化します。

 レイヤーの変化率はまた、設計の容易さや製造の難しさについて推察することができます。例えば、誘電ミラーの第2次変化率は大変低い、狭帯域バンドパスフィルタは非常に高い変化率のレイヤーを持つなどです。

「変化率の計算」(Compute Sensitivity )「レイヤー変化率の計算」(Compute Layer Sensitivity )コマンドは、互いに補完し合います。「変化率の計算」で作られたプロットは、製造誤差について示唆を与えてくれます。次に「レイヤー変化率の計算」のグラフは、どのレイヤーが問題なのか示します。注意しなければいけないのは、2つの計算はまったく異なっていることです。「変化率の計算」が反射率または透過率の変化をプロットするのに対して、レイヤー変化率は merit function に依存します。