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ヒト上皮結腸直腸腺がん細胞の Caco-2 ラインの単層透過性は、ヒト腸を介して吸収される化合物の活性を評価するために利用される一般的なインビトロモデルです。apical側 (頂端側) から basolateral 側 (側底側) への見かけの透過係数 (Papp) は、薬の経口投与に続いて、生体内吸収率と関連性があると示されてきました(Artursson P. and Karlsson J., Biochem. Biophys. Res. Comm.175(3), pp. 880–5, 1991)。優れた経口吸収を達成する可能性の高い化合物を選択するための一般的な適用基準は、Papp 値が 1×10-5 cm/s 以上とされています。
Nordqvist らは、市販薬を含む小分子のセットについての Caco-2 Papp 実測値について発表しました (QSAR & Comb. Sci. 23(5), pp. 303–310, 2004)。我々は、StarDrop の Auto-Modeller にこれらのデータを取り込み、log(Papp) 値を予測する Model を作りました。この文献には、2種類のデータセットが記載されています。77化合物の教育用データセット、および、23化合物の独立したテストデータセットです。一貫性を保つために、我々は、Model 構築時、教育用および評価用に同じセットを利用しました。
教育用データセット数は、複雑な特性のグローバルモデルを構築するための理想的な数には不十分です。この問題を和らげるために、我々は、Model 構築するための記述子には 10個の一般的なもののみを利用しました。このことは、過学習を回避することにも繋がります。利用した記述子は、logP・McGowan 体積・水素結合アクセプターおよびドナーの数・柔軟性・Topological Polar Surface Area (TPSA)・芳香環の数・全電荷・負電荷・正電荷です。詳細なモデル出力結果は、下記ページよりダウンロード可能です。また、これらの記述子の詳細な定義については、StarDrop Reference Guide をご参照ください。
Auto-Modeller で利用可能な全てのモデル化手法を適用した結果、PLS 法とガウス過程法 (前進変数選択) によるモデルが最適なものでした。得られた結果は、Nordqvist らの文献中の結果と非常に類似しています。下記テーブルに、要約データを示します。
Modelling method | Training set | Test set | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
R2 | r2corr | RMSE | R2 | r2corr | RMSE | |
PLS | 0.47 | 0.47 | 0.54 | 0.66 | 0.72 | 0.50 |
GPFVS | 0.60 | 0.60 | 0.47 | 0.66 | 0.70 | 0.50 |
ダウンロード方法および model のインストール方法の詳細を、下記に示します。
StarDrop で利用する model は、下記のリンク先よりダウンロード可能です。
※ Optibrium 社の Community サイトに登録する必要があります。 |
StarDrop で利用するために、ダウンロード後、これらのファイルを適切な場所に保存してください。Models タブ中のボタンを利用し、StarDrop に保存した model を取り込んでください。あるいは、model ファイル保存ディレクトリーを、StarDrop 起動時の model 自動ロード用パスに追加することが可能です。File → Preference メニューオプションを選択し、File Locations タブにある Models の下にディレクトリを追加してください。
データセット・モデル化過程での詳細出力に関する全詳細は、.zip 圧縮ファイルをダウンロードしてご確認ください。