6.15 レーダーグラフ

レーダーグラフ (radar graph) は、多くの変数を一度に表示できる2次元グラフのひとつです。各変数は、スポーク (spoke) と呼ばれるプロット原点から放射状に広がる異なるラインに沿ってプロットされます。変数が 10 個の場合は、10個の放射状ラインがそれぞれ 36度おきに配置されることになります。SigmaPlot のレーダープロットでは、このスポークと軸が一致します。軸の範囲は、すべての変数の最大値から最小値の間で定義されます。値が小さければ極座標プロットの中心付近に、大きければ外周付近になります。例えば、ある実験で、測定結果が複数の変数から成り、異なる条件下でこの実験を反復して得られた複数の結果を比較したいとしましょう。放射状の各軸にある変数の値を直線でつなげると、星をゆがめたようなパターンができあがります。これにより、実験における条件の違いを直線から成るパターンとして視覚的に比較できるようになります。レーダーグラフという名称は、放射状になった複数の軸がレーダーアンテナに良く似ていることに由来します。レーダーグラフは、スパイダープロット (spider plot)、ポーラプロット (polar plot)、スパイラルスペースダイアグラム (spiral space diagram) と呼ばれることもあります。

レーダーグラフの具体例として、遺伝子発現特性 (gene expression signatures) と小児脳腫瘍 (childhood brain cancer) のタイプの関係をあらわしたグラフを紹介します。以下に示す結果は、3つのデータセットからなる折れ線型のレーダーグラフです。予測される遺伝子とその発現量を各脳腫瘍ごとに決定するデータマイニング技術を使って生成されました。予測因子になることが分かったのは8つの遺伝子です。この遺伝子発現特性をあらわすひとつの方法がレーダーグラフを使うことです。8つの異なる遺伝子の遺伝子発現量がこのレーダーグラフの変数となります。以下のレーダープロットでは放射状の8つの軸としてそれらが表示されています。

図 116: レーダープロットの作成例

 

  1. レーダーグラフを作成する