1. "ホットリンク" という機能はどういうもので、どういうことに使うと役に立つものでしょうか?

ホットリンク機能の詳細については、Gene Inspector マニュアルのチュートリアル4で説明してあります。ホットリンク機能の背景には、解析結果と解析するシーケンスとを直接結び付けたい場面がしばしばあるだろうという考えが前提としてあります。シーケンスに変更を加えたら、その都度忘れずに再計算を手動で実行するのではなく、出力オブジェクトが自動的に再計算されるようになるものです。実験室でその精度を徐々に高めていくシーケンスもあるでしょうし、多重整列したコンセンサスシーケンスやコンティグなどもあるでしょう。

要するに、こうした関心のあるシーケンス (または関連するシーケンス群) に対して解析を実行したら、その出力結果を選択状態にして (複数可) 、メニューから "Notebook > Links > Automatic" を選択する訳です。出力オブジェクトの右上には、現在ホットリンクが付けられている状態をあらわす小さなグリーンの丸印の「装飾」アイコンが表示されるのを確認できるはずです (図 2.14 参照)。これらはいずれもグリーンになっているはずで、どのシーケンスにも最初に解析を実行してから変更が加えられていないことをあらわしています。

ここで、シーケンシングを引き続き行った結果、関心のあるシーケンス中に新たな塩基配列を認めることができたとしましょう。対応するシーケンスファイルを開いて、新たに発見された文字をそこに入力します。こうしてシーケンスに変更が加えられた訳ですが、これによって対応する GI ノートブック内の出力オブジェクト (解析結果) にも更新の必要があることが伝えられます。

解析のホットリンク装飾は、関心のあるシーケンスの状況に応じて変化するので、これを見ることでシーケンスに変更が加えられたことを確認できます。現在装飾は、感嘆符を赤と黄色で囲んだものになっています (図 2.15 参照)。なお、更新を要する解析オブジェクトは、変更の加えられたシーケンスに依存するもののみである点にご注意ください。

解析オブジェクトの更新を行うには、メニューオプションから "Notebook > Links > Perform Auto Recalc Now" を選択するだけです。現在更新されたシーケンスについて解析を新たにセットアップして実行する必要はありません。

ホットリンクは、時間の節約に非常に有効です。ターゲットシーケンスの細かな変更を常に解析結果に反映させるためにホットリンク機能を利用するだけでなく、一つのノートブックに多数の解析を作成しておき、それらを、ある特定のシーケンスとホットリンクで結びつけることもできます。別のシーケンスに対してこの解析セットを実行したい場合は、オリジナルのシーケンスを別なシーケンスに置き換えて Auto Recalc (自動再計算) を実行するだけです。