3.12 キーボードを使った新規ヌクレオチドの挿入

シーケンス表示ウィンドウには様々な要素が複雑に絡まり合っているため、新規ヌクレオチドを直接入力できるようになると、ヌクレオチドを1文字入力する度に、シーケンスビュー画面のすべてのグラフィック要素の更新にかかる時間がこれ以上我慢できないほど長びくことになります。従って、Gene Construction Kit では、通常の要領でカーソルを新規ヌクレオチドを追加したいと思う DNA 配列上の部位に配置した後に入力を開始できるようになっています。このときシーケンス表示ウィンドウに直接文字を入力するのではなく、塩基配列を入力するための特別なダイアログボックスが開きます (図 3.18)。入力した文字は、それが正式なヌクレオチド文字 (“Legal Nucleotide Characters” を参照) であるかどうか、ひとつひとつチェックされたのち、ボックスに代入されます。目的の塩基配列の入力が完了したら、OK ボタンをクリックすることで塩基配列のカーソル位置に新規ヌクレオチドが挿入されます。Cancel ボタンをクリックすると、塩基配列に変更を加えずに操作を終了します。このダイアログは、Construct > Insert Typing… を選択して開くこともできます。

図 3.18:ヌクレオチドの挿入

 

ヌクレオチドを削除するには、まずはじめに削除したい文字列を選択状態にした後、それらを Cut することによって、シーケンスビュー内で削除することができます。なお、状況が両義的にとらえられる可能性があるため、バックスペース (Windows は delete キー) を使ってヌクレオチドを削除することはできないようになっていますe

注: e. 例えば、実際に切断する部位には2本の鎖がありますが、GCK が削除位置をどう決めるかは明確ではありません。また、サイトマーカーが選択されている場合、挿入ポイントはサイトマーカーが選択されたまま実際の切断部位に残ります。このような状況で delete キーを押すと、サイトマーカーを削除するのか、挿入ポイントの左側のヌクレオチドを削除するのかがはっきりしません。delete キーを無効にすることで、状況が両義的にとらえられるこうした問題を回避するのです。