Gaussian 09 ベンチマーク結果
汎用量子化学計算プログラムの Gaussian の最新バージョンである ”Gaussian 09 Rev D.01” の性能を、”Gaussian 03 Rev E.01” および ”Gaussian 09 Rev C.01” と比較したベンチマークの結果です。
検証マシン環境
Gaussian バイナリ情報 |
G09 Rev D.01: Intel EM64T (Nehalem and later)
G09 Rev C.01: Intel EM64T (Nehalem and later)
G03 Rev E.01: Intel EM64T |
CPU |
Xeon X5675 (3.06 GHz 6 core) |
CPU 搭載数 |
2 (計 12 コア) |
メモリ |
24 GB (DDR3 1333MT/s with ECC 4GB x 6) |
システムの種類 |
64bit OS |
1. Gaussian 09 Rev D.01 / Gaussian 09 Rev C.01 / Gaussian 03 Rev E.01 の比較
Gaussian 03 から Gaussian 09 では、大規模分子の HF 法と DFT 法による振動計算が高速化されました。
計算対象分子
- 「テトラコサン」 分子式:C24H50、対称性:C2h

計算内容
以下の2種類の計算を 1~8 コアまでの並列化を用いて実行
- A:HF/6-31g* Freq
- B:B3LYP/6-31g* Freq
計算結果
- A:HF/6-31g* Freq
1コアの場合、Gaussian 09 Rev D.01 は Gaussian 03 Rev E.01 と比べて計算速度が約 2.4 倍向上しました。さらに、並列化の実施により計算速度が向上します。コア数の増加に伴う速度の伸びは徐々に緩やかになりますが、Gaussian 09 Rev D.01 で8コアの並列環境で計算すると、1コアの場合と比べて計算速度が約 6.7 倍向上しました。
- B:B3LYP/6-31g* Freq
1コアの場合、Gaussian 09 Rev D.01 は Gaussian 03 Rev E.01 と比べて計算速度が約 1.7 倍向上しました。さらに、並列化の実施により計算速度が向上します。コア数の増加に伴う速度の伸びは徐々に緩やかになりますが、Gaussian 09 Rev D.01 で8コアの並列環境で計算すると、1コアの場合と比べて計算速度が約 6.3 倍向上しました。
2. Gaussian 09 Rev D.01 / Gaussian 09 Rev C.01 の比較
Gaussian 09 Rev D.01 では、対称性考慮により、CIS および TD 計算が高速化しました。
計算対象分子
- 「コロネン」 分子式:C24H12、対称性:D6h

計算内容
以下の計算を 1~12 コアまでの並列化を用いて実行
- C:B3LYP td=nstates=12/6-31g*
計算結果
- C:B3LYP td=nstates=12/6-31g*
1コアの場合、Gaussian 09 Rev D.01 は Gaussian 09 Rev C.01 と比べて計算速度が約 8.1 倍向上しました。 さらに、並列化の実施により計算速度が向上します。コア数の増加に伴う速度の伸びは徐々に緩やかになりますが、 Gaussian 09 Rev D.01 で 12 コアの並列環境で計算すると、1コアの場合と比べて計算速度が約 6.3 倍向上しました。
※ このベンチマーク結果は記載の条件での計算結果に基くものであり、他の条件での計算結果およびその向上を保証するものではありません。 |