1. はじめに

このチュートリアルでは、混合計画についてご紹介いたします。混合計画と解析について急ぎ足で学習をしたい場合は、囲まれたセクションを飛ばしてください。しかし後から時間ができた場合、これらの情報は有益ですので是非戻って活用してください。

注意: 混合計画は、応答曲面法(RSM)の専門性を非常に高めたタイプの手法です。このチュートリアルでは要点から外れないように、先に説明した RSM チュートリアルの内容に戻ることはしません。そのため、まず始めに RSM チュートリアルを学習するか、あるいは、この混合計画の学習が終わった後に RSM チュートリアルを学習することをお勧めします。そうしないと多くの有益な機能を知らないまま、出力内容を解釈する際に重要なニュアンスを見落としてしまう可能性があります。

 

この強力なツールの実用的な知識を手に入れるには、混合計画に関するワークショップに参加することをお勧めします。スケジュールについては、Stat-Ease に電話するか、Webサイト www.statease.com にアクセスして確認してください。混合計画に関する入門書を無償で入手したい場合は、Stat-Ease 社のホームページにアクセスし “I’m a formulator” というリンクを辿ってご覧ください。このトピックに関して統計学的にもっと詳しく学びたい方は、John Cornell 著『Experiments with Mixtures, 3rd edition』(published by John Wiley and Sons, New York, in 2002)をご覧ください。

 このチュートリアルでは、プログラムの必要最低限の機能しか取り扱いません。更に詳しく知りたい方は、Help システムをご利用ください。F1 キーを押せばいつでも表示できます。ハイパーテキスト検索機能を使えば、必要な情報を簡単に見つけ出すことができます。

 

事例:洗剤の配合

ある洗剤について、2つの製品特性を高めるために成分を微調整して配合をやり直せねばなりません。2つの製品特性は、適切に計画された実験の応答として計測されます:

主要成分は水(water)、アルコール(alcohol)、尿素(urea)の3つで、それぞれ以下に示す変動幅があります:

主要3成分は、配合全体の 9wt% を占めます。

A + B + C = 9%

洗剤の 91wt% を占める残りは、その他の原料です(配合比は一定)。これらは実験の遂行上、無視することにします。

実験には、単体格子(simplex lattice)と呼ばれる標準的な混合計画を選択します。軸上のチェック・ブレンド(検査用混合試料)と全体の重心を計画に加え拡張します。各頂点と全体の重心は繰り返され、実験を行う配合比は合計で 14 となります。

拡張された単体格子(度数 m=2)

 

この事例では、混合計画とその分析のすべてのステップを紹介していきます。次のチュートリアルのPart2では、この2つの応答を同時に最適化する方法をご紹介します。