2. 実験の計画

この実験を計画するには、以下のように “File” -> “New Design” を選択します (ツールバーにある空白シートのアイコン () を一回クリックしても同じです) 。

 

新規計画を開始する

 

次に、デフォルトの Factorial タブから “Multilevel Categoric” をクリックします。因子数には「2」を選択してください。入力モードが Horizontal になっている場合は、これを “Vertical” に変更します(Design‐Expert で行ったこの設定は、次回のセットアップでも引き継がれることになります)。

多水準カテゴリー型の一般的な要因配置計画で使用する因子数の選択

 

A [Categoric] の Name に「Material」と入力します。Units には、「Type」をキー入力してください。Levels 数には 「3」 を入力してください。処理の名称はそれぞれ「A1」「A2」「A3」に変更します。左端の列の Type に注目してください。デフォルトが ordinal(順序)とは対になる Nominal(名義)となっています。因子の性質からくるこのふたつの違いは、Design‐Expert がカテゴリーの水準をどのようにコード化するかに影響します。応答分析の後に実行される ANOVA レポートのモデル係数がこれで変わります。計画は現在、以下のようになっているはずです。

MaterialをNominal因子として入力

 

因子タイプに関する情報をヘルプで調べる: 一般的な多元配置実験のこうしたチュートリアルを読めば、Design‐Expert のソフトウェア自体は素早く習得できるようになりますが、実験計画法やその分析法に関する統計学的基礎知識そのものは提供していません。詳しい情報をご希望される場合は、画面上部のHelp アイコン()をクリックしてください。

 

続いて因子 B のデータを入力していきましょう。B[Categoric]の因子名に「Temperature」を入力し、Unitsには、「deg F」を、Levelsには「3」を、各水準 (L[1]~[3]) にはそれぞれ「15」「70」「125」を入力してください。“Nominal” を押すとドロップダウンリストになりますので矢印をクリックして以下のように “Ordinal” を選択してください。Nominalから Ordinal に変更するのは、カテゴリー型としてこの因子は処理されることになりますが(この場合はコントロール、すなわち、統計的管理下に3水準しか提供されないため)、気温は実際には連続的な因子であることを定義するためです。

因子 B に関する情報の入力

 

Reclicates には「4」を入力します。実行回数の 36 は、Tabキーを押すか、セルを移動するまでは更新されません。Blocks オプションについては、この実験は完全に無作為化されているため、そのままにしておきます。

繰り返し回数の入力

 

“Next” をクリックして、応答の入力画面に移動します。Responses はデフォルトの 1 のままにしておきます。Name に「Life」を、Units に「hours」を入力してください。

次に、検出力(power)の計算を行います。この実験の組み合わせ処理で有意な差を発見できるかを調べるものです。試行回数が非常に少なく、実験の検出力が低いと、重要な応答の変化(信号)が系統/検定に存在する通常のばらつき(ノイズ)に覆い隠されることになります。これでは時間と素材が無駄になってしまいます。Design‐Expert では検出力の計算を、計画を設計する前に簡単におこなうことができますので、必要があれば、この結果次第で実験を改善していくこともできます。ここでは、バッテリーは少なくとも「50」時間以上の寿命がなければ関心に値しないものであり、品質管理の記録から標準偏差は「30」になるものと仮定しましょう。これらの値を以下のように入力します。30 を入力したところで、タブを押すかクリックしてください。Design‐Expert は、信号とノイズの比を計算します。

応答の入力画面

 

“Next” をクリックすると、この計画でエンジニアが期待する最低限の差異に関する検出力が表示されます。最低基準を50時間とする検出差(δ)が得られる確率は、これにより 94.5% になると計算されます。これは、検出力の最低限の目安 80% を上回っていますので、この計画は条件を満足させるものと結論付けることができます。

検出力の計算

 

“Finish” をクリックして、計画設定のプロセスを完了させてください。Design‐Expert には、3×3 の要因配置計画を4回反復測定する 36 回の実験(無作為順)が表示されます。