9.10 Libraries (ライブラリ)
このフォルダのライブラリには、自作のモデルに追加し、Analytica のビルトイン関数と同様の使用ができる関数が含まれています。これらのライブラリは、お持ちのモデルに追加することができます:詳しくは、Chapter 19 of the Analytica User Guide の information on how to add a library to a model をご覧ください。
- Base conversion library (基数変換ライブラリ)
2進数、8進数、10進数の整数と、16進数の値を変換する各種関数です。
- Bayes Function (ベイズ関数)
このライブラリには、ベイズ理論を使用して事後確率を計算するための関数 Posterior() が含まれています。
- Complex Library (複素数ライブラリ)
これは、複素数を使って作業するための関数のライブラリです。基本算術、複素数の極形式表現、複素根を求めるスカラー関数、対数、指数、行列関数、および、三角関数といった各種関数が含まれています。加算、減算、および、スカラー乗算は通常の演算子で実行できます。複素数の乗算と複素数の除算には、関数を明示的に指定する必要があります。複素数は、このライブラリでユーザーに表示されるように、 a + bi
のようなユークリッド形式にする必要があります。ここで、 a
は実部、b
は虚部をあらわします。
- Concatenation (連接)
このライブラリは、 ビルトインの Concat() と ConcatRows() 関数の拡張により廃止されていますが、この関数を使用して作成されたモデルの後方互換性のために現在も含まれています。このライブラリには、連接をより簡単にするための関数が含まれています。関数 Concat3() から Concat10() は、ひとつの呼び出しで 3 から 10 の配列を連接するもので、ビルトインの Concat() 関数を一般化したものです (ビルトインの Concat() 関数は、2配列を連接します)。ConcatRows() は、単一配列のすべての行を連接します。
- Data Statistics Library (データ統計ライブラリ)
このライブラリには、Analytica の統計的結果に使用するインデックスなど、Run 以外の明示的インデックスの数値リストの統計的量を計算するための関数、mean, variance, standard deviation, kurtosis, skewness, fractiles, covariance, correlation, frequency 等が含まれています。
- Distribution Densities (分布密度)
このライブラリの関数は、Analytica に組み込まれている標準分布関数の確率密度 (連続分布の場合) と確率 (離散分布の場合) を返します。また、連続分布と一部の離散分布のための累積分布関数、および、多くの連続分布のための逆累積関数も含まれています。
- Distribution Variations (分布)
このライブラリには、異なるパラメータセットを使用した標準分布を定義するための各種関数が含まれています。
- Expand Index (拡張インデックス)
このモデルには、 Change Index 関数が含まれています。あるインデックスでインデックス化された配列をこの関数に与えると、別のインデックスでインデックス化された配列が返されます。このモデルには、Change Index を使用して2つの異なる時点のキャッシュフローを、1時点の単一のキャッシュフローに結合する事例が含まれています。
- Financial Library (金融ライブラリ)
このモデルには、各種コーポレート・ファイナンス関数が含まれています。ブラック=ショールズ (Black-Scholes) オプション値 (CallOption, PutOption)、資本資産価格モデル (CAPM)、Miles/Ezzell の調整済み資本コスト (CostCapME)、Modigliani/Miller の調整済み資本コスト (CostCapMM)、永続性の現在価値 (PVperp)、割増永久年金の現在価値 (PVgperp)、および、資本の重み付き平均コスト (WACC)。
- Flat File Library (フラットファイルライブラリ)
このライブラリには、特に、2次元テーブルとカンマ区切りの値 (CSV) ファイルの間など、データをフラットファイルに書き込んだり読み込むのための関数が用意されています。
- Garbage Bin Library (ゴミ箱ライブラリ)
このライブラリには、作成したモデルのためのゴミ箱 (Recycle Bin) が用意されています (ゴミ箱アイコンを含む)。これを使うには、不要なオブジェクトをこのゴミ箱モジュールにドラッグするだけです。
削除とは異なり、ゴミ箱に捨てられたアイテムは復活させることが可能で、Undo コマンド (Control+Z) を使えば、ゴミ箱にドラッグされたアイテムが復活します。投入されたアイテムにゴミ箱の外と依存関係があれば、そのゴミ箱から矢印が表示されます。すなわち、そのアイテムを復活させるか、その依存関係もゴミ箱に捨てるかのサインです。
ゴミ箱から永久にアイテムを削除するには、ゴミ箱を開いて、内容をすべて選択 (Control+A) したあと削除します (Delete キーを押す)。
- Generalized Regression (一般化回帰)
ロジスティック、プロビット、ポワソン回帰の関数です。Regression() 関数を使って、与えられた新規データポイントのアウトプットの期待値を予測する関数を取得し、一般化回帰関数で与えられた新規データポイントの確率や確率分布を予測する関数を当てはめます。
- Linked List Library (リンクリストライブラリ)
このライブラリには、リンクされたリストを操作するためのルーチンが含まれています。
最も単純なリンクリストは単なる
NULL です。
要素がゼロのリンクリストです。
その他のリンクリストは、
Linked_List (このライブラリで定義されたインデックス) によってインデックス付けされるレコードへの参照と、要素への参照を含む各セル 、および、リストの残余へのポインタです。
リンクリストは、このライブラリの以下の関数を使用して作成および操作します:
- リストを作成するには、LL_Push() を使用します。
- リストを構築したあと、それを使用したり表示する最も簡単な方法は、LL_to_RArray() を使用してそれを元の配列に戻すことです。リンクリスト (最後のアイテムがリンクリストの最初のアイテムとしてプッシュされます) のアイテムの順序は、配列のアイテムをリストに追加したときと同じ順序になるように逆になります。
- LL_to_Array() 関数は、リンクリストと同様の方法 (最後に入力されたアイテムがリスト/配列の先頭になる) で順序化されたアイテムの配列を返します。
- その他の関数を使えば、リスト内の最初のアイテムや、N 番目のアイテム、リスト長を返したり、リスト内の最初のアイテムを削除することができます。
- Multivariate Distributions Library (多変量分布)
- ガウス
- ディリクレ
- BiNormal と Multinormal
- Uniform Spherical と MultiUniform
- Sample covariance と Sample Correlation
- 相関した分布と結果のための関数
- ODBC-Library (ODBC ライブラリ)
このライブラリには、データベースへの ODBC 接続のための追加の機能 (ValList, InsertRecSql, WriteTableSql) が用意されています。 なお、ODBC を使用するには、Analytica Enterprise が必要となります。詳しくは、Chapter 22 of the Analytica User Guide. をご覧ください。
- Optimization functions (最適化関数)
Newton-Raphson 法の GoalSeek() と Solve() への簡単な実装です。単一の値や非線形モデルのベクトル値の解を求めるのに利用することができます。Analytica の任意のエディションで利用可能です。Analytica Optimizer エディションにあるアルゴリズムのように高度な技術でロバストではありません。
- Performance Profiler (パフォーマンスプロファイラ)
このライブラリを使用して、作成したモデルを実行する際にどの変数と関数が計算時間を使用しているか を確認できます。ライブラリの使用法につきましては、モデルの description をご覧ください。
- Structured Optimization Tools (構造化された最適化ツール)
構造化された最適化モデルを作成する際に役立つ関数です (Analytica Optimizer が必要)。決定の設定を、最適化の解に定義した変数にしたり、元の値に戻すように定義した変数にする関数が含まれています。
※ Tip: ODBC と Profiling ライブラリには、Analytica Enterprise または ADE が必要です。Analytica のその他のバージョンでは機能しません。Structured Optimization Tools には、Analytica Optimizer が必要です。 |
- Optimization Functions Library (最適化関数ライブラリ)
このライブラリには、Newton-Raphson 型の探索を使用して最適化と方程式を解くための 関数が含まれています。