Grapher 14 で追加された機能
1. Durove プロット
Durov (ドゥーロフ) プロットは、Piper プロットで表示される水文学的、水文地質学的、あるいは、地球化学的データと同じデータを別の手段であらわすものです。さらに、陰イオンと陽イオンデータに PH および TDS データを追加できます。プロットするポイントは一様ですが、複数のクラスに分類されたものを利用可能で、その場合はそれぞれ異なるシンボルプロパティを表示させることができます。
2. 行データからのプロットの作成
Grapher には、データの配置を変換する機能があり、もし、データが列方向ではなく行方向に配置されている場合は、プロット作成用としてこれまでユーザーはその配置を変更していました。この操作はもう必要ありません。Grapher では、行方向に配置されたデータもそのままプロットできるようになりました。
3. 複数ページのプロットドキュメント
Grapher のユーザー様からは、これまでにも定期的に質問を受けていますが、それらは、ある特定のタスクを実行する仕方や、既存の機能のリクエストの仕方に関する内容でした。これらを通じて明らかになったのは、Grapher の中には直感的でない、すなわち、どこにあるのか分かりにくい部分が存在することでした。そこで、Grapher のユーザーインターフェイス全体をお客様のフィードバックを取り入れて設計の見直しを図りました。類似するコマンドのグループ化、リボンの並べ替え、各種マネージャのサイズ変更、ドッキングレイアウトの更新などです。この改善の目標とするのは時間の浪費とストレスを軽減することです。
4. カーブフィット機能の改善
- 近似曲線の統計量をあらわす数値形式を設定可能
- 多項式近似曲線における自動次数設定
- カスタムの近似曲線方程式を Property Manager から編集可能。
- Weighted Average (加重平均) 近似曲線の重みの保存と読み込み
- Weighted Average (加重平均) 近似曲線の重みを Property Manager で表示と編集
- Weighted Average (加重平均) 近似曲線の Window Width を変更する際に、既存の重みの間に新規の重みを追加
- プロットのデータ形式が data/time 形式の場合、近似曲線の Data limits と Plot interval 書式に date/time 使用可能。
- Object Manager の近似曲線の名称にプロット名が表示されるよう改善
5. バーチャートの改善
- バーの幅を from/to または軸単位の幅データに基づいて設定可能
- バーの値が規準となる値よりも上か下の場合にバーのカラーを変えることが可能
- デフォルトのカテゴリーバーチャートのラベルプロパティの更新
6. 軸の改善
- 自動軸範囲の改善
- プロットデータの列を変更時の軸タイトルの更新
7. ページの改善
- ページサイズ変更時に可能な場合はページ方向の更新
- カスタムページサイズのサポート
8. UI の改善
- Property Manager におけるプロットタイプのリスト表示。
- Contour マッププロパティの見つけやすさの改善
- エラーバープロパティの見つけやすさの改善
- 近似曲線と近似曲線統計量の見つけやすさの改善
- サイズ変更可能なダイアログの追加
9. インポートとエクスポート
- ESRI File Geodatabase (.FGDB, .GDB) のインポート
- ESRI Personal Geodatabase (.MDB) のインポート
- プロットウィンドウからの GPX のエクスポート
- ワークシートを DBF として保存
10. その他
- Class plots: 個々のクラスの変更に応じてグラデーションを上書き
- Scatter Plot: 点と点の接続で、直線の代わりにスプライン曲線を選択するオプションを追加
- データのヘッダを元にプロットの名称を設定
- Object Manager: 複数オブジェクトの表示と非表示を一度に切り替え可能
- プロットの Worksheet Rows にデータが何もなくても Custom value を設定可能
- 再描画の高速化
- スクリーンの外に見えなくなったダイアログを表示させるため、ダイアログの位置を再起動時にリセット
- ライセンス:MSI インストーラの実行でライセンス設定ファイルの位置を指定して実行
- クラッシュレポートダイアログのクリック数を減らして合理化
- ワークシートの書式を GPJ ファイルに埋め込み
- 旧式の GPJ 形式の大規模データを使用したファイルを保存する際、全てのデータを書式なしで保存するか、XLSX による限定書式でデータを保存するかをユーザーに確認