更新日: 14/04/16

WEB-アプリに柔軟なレイアウトを提供する「yFiles for Silverlight」

【1】 概要

Microsoft Silverlight 環境にて、WEB アプリケーションを開発するためのライブラリーを提供します。グラフ、ダイアグラム、ネットワーク図の分析や可視化機能を WEB-ブラウザから利用できるアプリケーションを作成できます。

 

【2】 特徴

1) グラフの解析と自動最適レイアウト機能

グラフや、ダイアグラム、ネットワーク図に対して、以下のような強力な解析機能を提供します。即ち、最短経路探索やスパンニング・ツリー・アルゴリズムなどです。通常のコーディングでは、多くのステップを必要としますが、yFiles for Silverlight ではシンプルなファンクションとして容易に実現できます。

階層構造、直交レイアウト、円環状レイアウトなどの多様なレイアウトを提供します。種々のレイアウトを組み合わせて、洗練された簡潔なレイアウトを実現できます。

yFiles for Silverlight のルーティング機能により、グラフ要素間の接続を最適化したり、よりスッキリした結線を可能にします。

 

2) グラフ属性に対する強力なコントロール機能

ダイアグラムに対して、Silverlight のコントロール機能を提供します。それによって、ダイアグラムを直感的に操作できます。マウスによるシンプルな操作で、ダイアグラムの属性を容易に編集できます。以下のような種々の編集機能を提供します。

 

【3】 応用事例

以下の応用事例は、yFiles (for Java) や yFiles.NET (for C#) での事例ですが、yFiles for Silverlight においても、十分に実現可能です。これらの商品 (yFiles, yFiles.NET, yFiles for Silverlight) が持つライブラリーとしての基本機能は同じです。大きな違いとしては、夫々動作環境が異なることです。

1) ドキュメント管理

ドキュメント管理

 

2) ネットワーク・システム管理

詳細情報

 

3) ビジネス・ワーク・フロー管理

ビジネス・ワーク・フロー管理

 

4) データベース・スキーマの可視化

データベース・スキーマの可視化

 

5) ソフトウェア・モジュール間の依存関係を可視化

ソフトウェア・モジュール間の依存関係を可視化

 

【4】 多くの有用なサンプル・コード

yFiles for Silverlight をインストールすると、以下の2つのフォルダーがあります。

  1. yFiles for Silverlight 2.0 ... システム・フォルダー
  2. yFiles for Silverlight 2.0 Samples ... サンプル・フォルダー

サンプル・フォルダーに、45個の有用なサンプル・コードがあります。そのいくつかを以下に紹介します。

 

1) Demo.yFiles.GraphEditor

フォルダー: yFiles for Silverlight 2.0 Samples/demos/yEd for Silverlight/

 

2) Demo.yFiles.Graph.Viewer

フォルダー: yFiles for Silverlight 2.0 Samples/demos/GraphViewerDemos/

 

3) Demo.yFiles.Graph.OrgChart

フォルダー: yFiles for Silverlight 2.0 Samples/demos/CompleteDemos/

 

4) Demo.yFiles.Graph.Collapse

フォルダー: yFiles for Silverlight 2.0 Samples/demos/CompleteDemos/

 

5) Demo.yFiles.Graph.IncrementalHierarchicGrouping

フォルダー: yFiles for Silverlight 2.0 Samples/demos/CompleteDemos/

 

6) Demo.yFiles.Graph.SimpleCustomStyle

フォルダー: yFiles for Silverlight 2.0 Samples/demos/StyleDemos/

 

 

【5】 開発環境の設定とサンプルのコンパイル

1) yFiles for Silverlight のインストール

 

2) 「ShortestPath(最短経路探索)」のコンパイルと実行

  1. "Microsoft Visual Web Developer 2010 Express" を起動します。

  2. プロジェクトを開きます。

    • "ファイル(F)-> プロジェクトを開く(P).." を実行します。

      --> [プロジェクトを開く] ダイアログが起動します。
       

      フォルダーにある を開きます。

    • メニューの "デバッグ(D)-> デバッグ開始(S)" を実行します。

      --> 出力欄に [ビルド:正常終了] のメッセージが表示されます。

      --> WEB-ブラウザが起動して、グラフが表示されるます。

         ・適当にノードを選び、"Mark as Source" ボタンを押す --> ノードが緑色になります。
         ・適当にノードを選び、"Mark as Traget" ボタンを押す --> ノードが赤色になります。
          自動的に経路探索が行われて、最短経路が表示されます。

         ・右上コーナーにある "Undirected" ボタンをおして、"Directed" を選択します。
          自動的に再探索が行われて、結果が表示されます。エッジに方向があるので、
          最短経路は、前回の "Undirected" の場合とは異なります。

 

3) 「Collapse (ツリー・ビュー)」のコンパイルと実行

  1. プロジェクトを開く


    • "ファイル(F)-> プロジェクトを開く(P).." を実行します。

      --> [プロジェクトを開く] ダイアログが起動します。


      フォルダーにある を開きます。

    • メニューの "デバッグ(D)-> デバッグ開始(S)" を実行します。

      --> 出力欄に [参照コンポーネント "Demo.yFiles.SilverlightToolKit" が見つかりません] のメッセージが表示されます。

      このアプリは、"SilverlightToolKit" に依存しているため、先ず "SilverlightToolKit" をコンパイルする必要があります。

  2. "SilverlightToolKit.dll" を作成する


    • "ファイル(F)-> プロジェクトを開く(P).." を実行します。

      --> [プロジェクトを開く] ダイアログが起動します。


      フォルダーにある を開きます。

    • メニューの "デバッグ(D)-> Demo.yFiles.SilverlightToolkit のビルド(U)" を実行します。

      --> 出力欄に [ビルド:正常終了] のメッセージが表示されます。

  3. "Demo.yFiles.Graph.Collapse" を再度コンパイルします。


    • "ファイル(F)-> プロジェクトを開く(P).." を実行

      --> [プロジェクトを開く] ダイアログが起動されます。


      フォルダーにある を開きます。

    • "ソリューションエクスプローラー-> 参照設定" の下にある Demo.yFiles.SilverlightToolkit を削除します。

    • 参照設定」を右クリックして、「参照の追加(R)..」を選択します。

      --> ダイアログが表示されるので、


      フォルダーにある "" を選択し、 [OK] を押します。

    • メニューの "デバッグ(D)-> デバッグ開始(S)" を実行します。

      --> 出力欄に [ビルド:正常終了] のメッセージが表示されます。

      続いて、WEB-ブラウザが起動し、グラフが表示されます。