更新日: 14/04/15

時系列データのアニメーション作成

Voxler で時系列データのアニメーションを作成したいという要望が多くあります。残念ながらVoxler にはその機能が搭載されていませんが、PhotoScape V3.5 を使った animated GIF ファイルの作り方法をここで説明します。サンプルデータとして、8ヶ月間、地下水の汚染を監視した複数の井戸のデータを用意しました。1枚のワーク シートに XYZ の位置情報と、複数の C列すなわち日付別の汚染データが記入されています。

アニメーションを作成する第1歩は、最初から最後まで変化しない基本モデルを作成することです。すなわち、アニメーションの背景として機能するの で、これは非常に重要です。本例では、Surfer を用いてサーフェスマップのグリッドフィアルを作成し、それに Voxler の HeightField モ ジュールを接続しました。もちろん、DEM や NED ファイルを用いてサーフェスを作成することもできます。さらに井戸を表す散布図、基本モデルの範囲を示 す境界ボックスを追加しました。

 

基本モデルの作成

  1. サーフェスマップを作成

    1. Voxler の File | Load Data メニューコマンドをクリックします。
    2. Load Data ダイアログが表示されたら、目的の GRD ファイルを選択し開くボタンを押します。
    3. Uniform Lattice Import Options ダイアログが表示されたら、Import as Curvilinear Lattice チェックボックスを選択し OK ボタンを押します。
    4. Network ウィンドウに表示された GRD ファイルを右クリックし、Graphics Output | HeightField を選択します。
    5. HeightField の表示スケールが正しくないことに気づくでしょう。Network ウィンドウで HeightField モジュールを選択し、Properties ウィンドウに行って Scale0.1 に設定することで、スケールを変更することができます。

  2. 井戸の散布図を作成

    1. File | Load Data メニューコマンドをクリックします。
    2. Load Data ダイアログが表示されたら、XLSX ファイルを選択し開くボタンを押します。
    3. When the Select Data Columns ダイアログが表示されたら、X、Y、Z の各列を指定します。C列の指定は不要です。OK ボタンをクリックします。

  3. Network ウィンドウに表示された XLSX ファイルを右クリックし、Graphic Output | Bounding Box を選択します。
    図1 基本モデルのサンプル

XLSXファイルの時系列データを読み込むのは簡単です。サンプリング毎のデータを繰り返し読み込むだけです。本例では8ヶ月間の各月の汚染データがあるので、各月のデータを繰り返し計8回読み込みます。

 

時系列データの読み込み

  1. Voxler の File | Load Data メニューコマンドをクリックします。

    1. Load Data ダイアログが表示されたら、目的の XLSX ファイルを選択し開くボタンを押します。
    2. Select Data Columns ダイアログが表示されたら、XYZ の各列と Single Component をチェックして最初の汚染データ列を指定します。
    3. OK ボタンを押します。

  2. 上記手順を、サンプリングしたすべての汚染データに関して繰り返します。本例では 8 列分の汚染データがあるので、計 8 回読み込みます。
  3. 汚染の状況を効果的に表現するには、読み込んだデータをグリッドデータに変換します。各データセット上でマウスの右クリックをして Computational | Gridder モジュールを選択します。
  4. さらに Network ウィンドウで、各 Gridder モジュール上でマウスの右クリックをし、Graphics Output | VolRender モジュールを選択して追加します。
  5. すべてのデータセットの立体図を表示し、汚染の変化をモデル化するには、CLR ファイルの色設定を各立体図に適用する必要があります。

    1. Network ウィンドウで、最初に追加した VolRender モジュールを選択し、Properties ウィンドウを開きます。
    2. ColorMap の項目右端にある「...」ボタンをクリックし、ColorMap Editor を開きます。
    3. ColorMap Editor が開いたら、Opacity Mapping で透明度を設定し、続いて希望の Color Mapping を選択します。
    4. Save ColorMap... ボタンをクリックして、このカラーマップを CLR ファイルに保存します。
    5. 残りの VolRender モジュールに対しても、ColorMap Editor の Load ColorMap... ボタンをクックすることによって、先ほど保存した CLR ファイルを適用します。
      図2 基本モデルとすべてのデータを読み込んだNetworkウィンドウ

これで基本モデルとすべてのデータセットが Voxler に読み込まれました。各 VolRender モジュールのプロットは、各月の汚染状況を表しています。これらの画像をエクスポートする前に、Viewer ウィンドウですべてのプロットが一定に見えるように調整します。最初の VolRender モジュール以外のすべてのプロットを、非表示にして下さい。

 

画像のエクスポート

  1. File | Export メニューコマンドをクリックします。
  2. Export ダイアログでファイル名を「1」に、ファイルの種類は PNG Portable Network Graphics を選択して保存ボタンを押します。
  3. Export Options ダイアログが表れた場合は、デフォルト設定のまま OK ボタンを押します。
  4. Network ウィンドウに戻り、次の VolRender モジュールを表示状態にし、前のステップと同様にして画像ファイルをエクスポートします。ファイル名は、1、2、3... という具合に付けています。
  5. すべての VolRender モジュールが表示状態になるまで繰り返します。

これで汚染レベルを時系列的に表現した画像ファイルのグループを作成し終えたので、GIF アニメーションを作成するアプリケーションプログラムに読み込みます。ここでは、フリーソフトウェアの PhotoScape V3.5 を使用します。

PhotoScape を起動したら、Animated GIF タブを開いて下さい。PhotoScape ウィンドウの左上にディレクトリ構造が表示されますので、Voxler で作成した画像ファイルを保存した 場所に移動して下さい。すると、ディレクトリ構造下のエリアに、画像ファイルが表示されます。そのどれかにマウスのポインタを置き、Ctrl+A キーを押 してすべてのフィアルを選択します。それらのファイルを Drop your photo here と書かれたエリアにドラッグします。すると、画像はアニメーションを構成するフレームとして読み込まれます。ウィンドウ右上にある Save ボタン を押して保存します。Animated GIF ファイルを見るには、ブラウザの上にドラッグ&ドロップします。

図3 Voxlerがエクスポートした画像ファイルをPhotoScapeのメインウィンドウに読み込みます。
図4 PhotoScapeで作成した水質汚染マップのアニメーション
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