更新日: 14/05/14

RLM プライマリとフェイルオーバーサーバーの設定

RLM では、何らかの理由でライセンスサーバーがダウンしてしまった場合、その機能をフェイルオーバーサーバーにバックアップさせることが可能です。本来のサーバー (プライマリサーバー:primary server) の代わりに機能するこのフェイルオーバーサーバーを、フェイルオーバーライセンスサーバー (failover license server) と呼びます。なおフェイルオーバーサーバーでは、ライセンスのローミングを行うことはできません。

注意:プライマリとフェイルオーバーサーバーの間に、ファイアウォールは設置できません。

プライマリとフェイルオーバーサーバーでのライセンス管理の受け渡しは、Tecplot の管理サーバーが実行します。受け渡しは、ライセンスファイル (.lic ファイル) 中の rlm_failover または rlm_failover_server の記述に基いて行われます。

フェイルオーバーサーバーも、独立してライセンス管理を行うことができますが、プライマリサーバーがダウンした時のみ管理を実行して下さい。

 

フェイルオーバーの仕組み

フェイルオーバーサーバーを起動するとき、Tecplot のライセンスファイルの rlm_failover または rlm_failover_server には、以下の様な記述が必要です。

(注意:RLM v9.2 の場合は、_failover_host キーワードは _primary_server に変更されています。_failover_host でも動作しますが、ライセンス更新の際には _primary_server キーワードを使用して下さい。)

rlm_failoverrlm_failover_server の違いは、プライマリサーバー自体のダウンを認識して (rlm_failover) 、あるいは、プライマリサーバーの RLM プロセスのダウンを認識して (rlm_failover_server) 、フェイルオーバーサーバーを起動させるかの違いです。

注意:rlm_failover または rlm_failover_server を記述したライセンスファイルでは、_failover_host または _primary_server はプライマリサーバーの localhost または 5053@localhost に設定されます。この記述は、ライセンス管理者が編集することができます。

rlm_failover のライセンスファイルは、起動数が制限されています。そうでない場合は、ライセンスファイルは使用できません。(無制限にフェイルオーバーサーバーを起動すると、サーバー同士の競合が発生してしまいます。)

フェイルオーバーサーバーを起動するには、rlm_failover (または rlm_failover_server) キーワードが必ずライセンスファイル (.lic) に記載されていなければなりません。

 

rlm_failover または rlm_failover_server license の役割

RLM が rlm_failover または rlm_failover_server license の記述があるライセンスファイルで起動すると、プライマリサーバーの状態を監視するためのスレッドが、定期的に実行されます。プライマリサーバーのポートを介して、TCP/IP プロトコルでサーバーの起動状況のチェックが行われます。コンピュータまたはライセンスサーバーが起動している場合は、フェイルオーバーサーバー側は何も行いません。

もしプライマリサーバーがダウンした場合は、rlmreread コマンドと同じやり方 (ライセンスファイルに記載された内容) で、フェイルオーバーサーバーのライセンス管理機能が有効となります。

プライマリサーバーが復旧したとき、フェイルオーバーサーバーは実行しているライセンス管理を中止します。

 

フェイルオーバーサーバーの設定

フェイルオーバーサーバーには、日頃ラインセンス管理のために使用しているコンピュータではないマシンを選択して下さい。言い替えると、rlm_failover または rlm_failover_server license の記述があるライセンスファイルで RLM を起動させる専用サーバーがベストです。ネットワーク上のライセンスサーバーにトラブルが発生した時、一般的にこのような構成が復旧にもっとも有効です。

非常に特殊なケースでは、たとえばプライマリサーバーのマシンが数千のクライントを管理しており、そうしたサーバーが複数あるときは、サーバー毎に 1 または 2 のフェイルオーバーサーバーを用意した方がよいでしょう。

注意:フェイルオーバーサーバーは、ライセンスのローミングに対応していません。これは、プライマリサーバーからライセンスを引き継ぐためのライセンスプールが、ローミングに対応していないためです。

 

フェイルオーバーサーバーのライセンスファイル

次のライセンスファイルは、フェイルオーバーサーバーとして働くための設定です (サーバーのノードは "failover_host"、hostid は "11111111") 。プライマリサーバーは、hostid が "12345678" (ノードは "main_server") です。

注意:LICENSE 行の hostid には、プライマリサーバーの hostid が記述されます。

 

フェイルオーバーサーバーのインストール

フェイルオーバーサーバーのライセンスファイルを受け取ったら、以下のようにインストールして下さい。

  1. フェイルオーバーサーバーのノードに、Tecplot を管理するための RLM をインストールして下さい。
  2. つぎに、プライマリサーバーのライセンスファイルをインストールして下さい。
  3. rlm_failover または rlm_failover_server の記述のあるライセンスファイルを編集します。_primary_server= (または _failover_host=) のフィールドにプライマリサーバーの host 名を入力します。HOST 行には、フェイルオーバーサーバーの host 名を記述します。(rlm_failover_server の場合は、_primary_server= (または _failover_host=) のフィールドには port@host ですので、注意して下さい。)
  4. Tecplot のオプションを、ライセンスファイルまたはデフォルトオプションの teclmd.opt ファイルに設定します。
  5. すべてのライセンスファイルの設定が正しいことを確認したら、RLM を起動します。
  6. フェイルオーバーサーバーの port@host を環境変数 RLM_LICENSE に追加して下さい。または、フェイルオーバーサーバーのライセンスファイルをアプリケーションが見つけられるように、パスを設定して下さい。これを忘れると、フェイルオーバーサーバーが有効になっても、アプリケーションがライセンスのチェックをすることができません。

注意:フェイルオーバーサーバーは、RLM v2.0 から搭載された機能です。