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航空機搭載 LiDAR (airborne LiDAR) が密林の樹冠を「透視」し、長い間隠されていた構造物を明らかにする能力は、現代の考古学に革命をもたらしています。レーザースキャナーの影響が最も顕著だった場所は、グアテマラのジャングルです。そこでは、科学者が Surfer の 3D 可視化機能の助けを借りて、マヤ族の文化に関する新たな知見を導き出しています。
チチェン・イッツァ (Chichen Itza)、ティカル (Tikal)、そして中央アメリカ全土のその他の古代マヤ都市の宮殿、寺院、大通りは、伝統的な考古学的手法によって十分に記録されています。しかし、大都市間の郊外にある、より小さく、それほど壮大ではない建造物については、主に発見と発掘の費用と困難さのために、ほとんど研究されていません。
ギャリソン氏によると、これは残念なことだと言います。なぜなら、これらの地域は普通の人々が日常生活を送っていた場所だからです。こうした「郊外」の遺跡から、マヤ文化に関する貴重な、そしてこれまで知られていなかった情報が見つかる可能性があります。ギャリソン氏は、考古学の同僚数名とともに、グアテマラに拠点を置き、同国の文化資源と自然資源の保護に取り組んでいる非営利団体 PACUNAM に、広範にわたる LiDAR を提案しました。
「これまで、LiDAR プロジェクトが収集に重点を置いていたのは特定の狭い範囲に限られていました」とギャリソン氏は語ります。「私たちはそのアプローチを 2,100 平方キロメートルを超える大規模なもの(グアテマラ北部の 10 か所の異なる地域で収集)に拡大しました。」
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「LiDAR は私たちの分野に本当に衝撃を与えました」とテキサス大学オースティン校地理環境学部助教授のトム・ギャリソン氏は語ります。「LiDAR は、1回の飛行経路で、徒歩で地図を作るのに何年もかかるものを明らかにすることができます。」
航空機搭載 LiDAR (airborne LiDAR) データにより、すばらしい発見がありました。ティカルから西にわずか15キロのジャングルに長さ2キロメートル以上に及ぶ巨大な要塞が隠れていたのです。驚くべきことに、ギャリソン氏は数年前にもこの要塞の壁から100メートル以内を偵察していたのですが、密生した植生に覆われて全く気付かなかったのです。
現在、ラ・クエルナビラ (La Cuernavilla) として知られるこの場所を明らかにするには、いくつかのステップが必要でした。LiDAR データの取得後、RAW ファイルはヒューストンの National Center for Airborne Laser Mapping で処理され、地表のデジタル標高モデル (DEM) を含むいくつかの処理されたデータになりました。この DEM は、地面とその上にあるフィーチャーの標高点をあらわすポイント・クラウドです。このシーンではデジタル技術を借りて植生が除去されています。
ギャリソン氏はいくつかのソフトウェアパッケージを分析に使用していますが、3D の可視化にはGolden Software 社のグリッド作成、モデリング、および、サーフェスマッピング・パッケージである Surfer を好んで使用しています。
「Surfer は、点群 (ポイント・クラウド) の値を編集した後、新しいイメージをすばやく再レンダリングするのに優れています」と彼は言います。
Surfer の 3D 表示ツールは、ラ・クエルナビラを生き生きと再現するのに最も役立った機能です。砦の一部は 1000 年以上前に遡るため、浸食により石灰岩と土塁の構造が損なわれています。溝、城壁、壁の起伏を強調するために、ギャリソン氏は Surfer で Z 値を調整し、風化と堆積物の蓄積によって鈍くなったかつては目立っていた垂直の特徴の輪郭を強調します。
「Surfer の 3D レンダリング法は、コマ落ちすることなく解像度の完全性を維持します」と彼は述べます。Surfer の First Person View ツールを使って、風景の内側から要塞の素晴らしいビデオを作成したと付け加えました。
ギャリソン氏は2021年夏にラ・クエルナビラを訪れ、この地域における要塞の存在意義を解明する予定です。軍事的観点から見ると、この遺跡はすでにマヤの戦争に関するこれまでの正統的な考えに疑問を投げかけています。より一般的に言えば、要塞付近で発見された住居構造やその他のフィーチャの密集度から、これまで知られていなかったマヤの農業と気候変動への適応に関する実情が明らかになるかもしれません。
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