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SigmaPlot による対応のある 2 標本の t 検定に関する使用例を説明いたします。
SigmaPlot には、次の ANOVA の検定手法が用意されています。
One Way ANOVA は、例えば 3 つの異なるグループ (A, B, C) がある場合に、これらのグループ間に差があるかどうかを調べるときに使用します。比較するデータは、以下の条件を満たしている必要があります。
次の例題について、SigmaPlot を用いたOne Way ANOVA (一元配置分散分析) の実施手順を紹介します。
学習法による試験の成績を比較したいと思います。A、B、C の学習法で10名ずつの点数の結果です。この 3つの学習法に、有意な差があるかどうかを One Way ANOVA で検定します。
| 学習方法 A | 学習方法 B | 学習方法 C |
| 55 | 65 | 75 |
| 60 | 67 | 73 |
| 58 | 70 | 76 |
| 62 | 68 | 78 |
| 57 | 66 | 77 |
| 59 | 69 | 74 |
| 63 | 70 | 75 |
| 61 | 72 | 76 |
| 60 | 71 | 77 |
| 58 | 69 | 78 |
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SigmaPlot の Σ メニューをクリックして New → Notebook を実行しワークシート (Data 1) を表示します。
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下図のようにワークシートにデータを入力します。
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続いて Analysis タブ→ Tests → Compare Many Groups → One Way ANOVA... を実行します。
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Raw 形式のまま、Next ボタンをクリックします。
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ワークシートから A、B、C の学習方法の変数をマウス操作で選択 (もしくは Data for Data プルダウンメニューから3つの学習方法の変数を選択) して Finish ボタンを押します。
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Multiple Comparison Options パネルが表示されます。ここでは、多重比較検定 (Post Hoc Test) の選択を行います。多重比較検定によりどの群とどの群に差があるかを調べます。
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Holm-Sidak 検定が推奨されていますが、ここでは標準的な Tukey を選択して Finish ボタンを押します。
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One Way ANOVA のレポートが表示されます。
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データが前提条件を満たしているか否かは、次の2つの検定結果から判断します。
有意水準 (帰無仮説を棄却するかを判断する基準となる確率) は α=0.05 としています。
正規性の検定 (Shapiro-Wilk) 及び等分散性の検定 (Brown-Forsythe) は、いずれも「Passed」と表示されています。P 値は有意水準 0.05 より大きく帰無仮説は棄却されず、2つの標本は正規性ならびに等分散性を満たしていると言えます。
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次に ANOVA の結果を確認します。ANOVA の帰無仮説と対立仮説は次のとおりです。
| 帰無仮説 H0 : μ1 = μ2 = μ3 すべての母平均は等しい 対立仮説 H1 : 少なくとも1つの母平均は他と異なる |
Source of Variation の内容は、群間 (Between Groups) の P 値が <0.00001 と α=0.05 より小さい値で帰無仮説は棄却され、対立仮説が採択されます。3つの学習方法には違いがあると言えます。
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3つの学習方法に違いがあることがわかりましたので、どの学習方法とどの学習方法が異なるのかを Tukey の検定の結果を確認いたします。
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個々の学習法の比較において、すべての比較で P 値が 0.00013 です。α=0.05 より小さい値で帰無仮説が棄却され、対立仮説が採択されます。すべての学習法の組み合わせについて差があると言えます。



逐次的に有意水準を調整して多重比較による誤差(Familywise Error Rate)を制御する方法であり、Bonferroni法よりも検出力が高い。
ステップワイズ法による優れた手法ですが、全体の危険率は指定した有意水準を上回るため単独での検定方法として使用すべきではない。
比較数が少ないため他の多重比較検定に比べてより小さな差でも有意になる傾向がある。
多重比較検定としてほとんどの場合に使用できるが、検出力はやや劣る。
指定した有意水準を一組の比較あたりの比較に用いるため検出力は優れるが、4群以上の検定では多重比較全体としての危険率が指定した有意水準を超えてしまうため使用すべきではない。
Tukey法に比べて有意差が出やすく、第一種の過誤(誤って差があると判断する誤り)が増える傾向がある。探索的な比較に適している。