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更新日: 14/04/10

分極連続体をスムーズにする間接的溶媒モデル

Smooth Polarizable Continuum Implicit Solvent Models

溶媒効果 (Solvent Effect) は、量子化学アプリケーションにおいて重要な役割を果たします。PCM (分極連続体モデル:polarizable continuum models) は、バルクな溶媒効果をシンプルで有効に組み入れる手段を提供します。PCM はもともと有限要素的性質を持ちますが、我々は、溶質のポテンシャルエネルギー面を連続的で滑らかにする switching/Gaussian (SWIG) 法という特別な数値積分法を PCM に実装しました。これにより、連続的な力を必要とする構造最適化や ab initio 分子動力学シミュレーションなどで計算が安定化します。MM/PCM および QM/MM/PCM 計算でこれを使用することも可能です。PCM は任意のバルク (内部) 誘電率で溶媒との静電相互作用をモデル化できます。例えば、室温水を誘電率 ε=78 の無構造の誘電媒体としてモデル化することができます。

我々はまた、PCM の計算スケールをシステムサイズに対して (CPU とメモリの両方について) 線形化する多数の機能も実装しました。これにより、MM/PCM および QM/MM/PCM 計算で MM 領域を幅広く取り扱えるようになります。

水溶液中 (誘電率を ε = 78 として PCM でモデル化) のグリシン (PBE0/6-31+G* レベルで記述) の ab initio 分子動力学シミュレーション中のエネルギー変動。この分子は、気相の amino-carboxy 互変異性体 (a) からはじまり、分子内プロトン移動を自然に経て、双性イオン性互変異性体 (b) となります。溶媒モデルに我々の SWIG 実装を使えば、溶液相シミュレーション (赤で示したエネルギー変動) は、プロトン移動で溶質空孔の形状が大きく変動するにもかかわらず、気相シミュレーション (黒で示したエネルギー変動) と同程度に安定します。PCM 式が離散化 (青で示したエネルギー変動) するほど、それだけシミュレーションは不安定になり究極的には失敗に終わります。

 

論文:

記事原文:

Q-Chem 4.0 マニュアル:

 

計算例

 

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