更新日: 14/04/10

ADC スキームによる相関励起状態の計算

Correlated Excited States with the Algebraic Diagrammatic Construction (ADC) Scheme

光誘起プロセス (photoinduced processes) を理論的に解釈するには、比較的大きな分子の励起状態を正確に計算する必要があります。我々は垂直励起状態とその遷移モーメントを最大2次の摂動として計算できる代数的ダイアグラム構成 (ADC: Algebraic Diagrammatic Construction) スキームを実装しました。

ADC スキームは、より一般的な CI および CC アプローチに置き換わる励起状態の計算方法です。エルミート性を保持しながら、サイズに関してつじつまが合い (size-consistent)、よりコンパクトであるというメリットがあります。一重項励起と二重項励起の特性をもつ励起状態の計算にこの機能をご利用ください。

このグラフは、直鎖ポリエン (linear polyene) の3つの最低励起状態について、垂直励起エネルギーを共役二重結合の数に対してプロットしたものです。厳格 (strict) な ADC(2) と拡張 (extended) した ADC(2)-x で得られたこの励起エネルギーの比較は、励起状態の理論的解釈における二重励起の重要性を診断するのに役立ちます。この事例では、一重励起した Bu+ 状態では殆ど影響はありませんが、二重励起した Ag- と Bu- 状態のエネルギーは大幅に低下しています。

 

論文:

Q-Chem 4.0 マニュアル:

 

計算例