更新日: 14/04/10

有効フラグメントポテンシャル (EFP) 法

Effective Fragment Potential (EFP) Method

有効フラグメントポテンシャル (EFP: Effective Fragment Potential) は、分子クラスター、液体、および、DNA 塩基のような生物学に関連する分子内の分子間相互作用を説明するために使用するモデルポテンシャルです。EFP 計算にかかるコストは分子力学で使用する力場と同程度ですが、EFP 法のパラメータは、第一原理で求められ、経験的パラメータによるフィッティングを含みません。EFP は、クーロン力、分極性、分散力、および、交換-反発成分の観点から相互作用エネルギーをナチュラルに分解します。EFP は、弱い結合からなる複合体や系における、構造、結合、相互作用パターンのロバストで予測的な計算に利用できます。例えば、ベンゼン2量体の異なる異性体において、EFP と CCSD(T)/CBS との最大誤差は、結合エネルギーで最大 0.4 kcal/mol、平衡構造で 0.2A です。

ベンゼン2量体のサンドイッチ構造体における EFP と SAPT (対称性を適応した摂動論) のエネルギーの各成分です。EFP と SAPT の見事な一致は、EFP の精度の高さがエラーキャンセレーションによるものではなく、非共有相互作用の物理的特性を正確に取り扱った結果であることを示しています。

 

論文:

Q-Chem 4.0 マニュアル:

 

計算例