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Igor Pro は科学技術分野におけるデータ解析・可視化ソフトウェアとして、長年にわたり多くの研究者に愛用されてきました。その Igor Pro に、強力なデータ収集機能を追加できる「NIDAQ Tools MX」をご存知でしょうか?
NIDAQ Tools MX は、National Instruments 社 (NI) の DAQ デバイス (E シリーズ、M シリーズ、S シリーズなど) と Igor Pro を連携させ、プログラムを書くことなく、対話的にデータ収集を行うためのツールキットです。本記事では、この NIDAQ Tools MX の魅力と基本的な使い方を解説します。
NIDAQ Tools MX は、Igor Pro 上で動作する「XOP (外部操作関数)」です。NI の DAQ デバイスを制御するためのドライバ「NI-DAQmx」と Igor Pro を結びつける役割を果たします。これにより、以下のことが可能になります。
NI の DAQ デバイスを使用する際には、LabVIEW や C/C++ などのプログラミング環境も利用可能ですが、NIDAQ Tools MX を使えば、Igor Pro の使い慣れた環境で、より柔軟なデータ収集システムを構築できます。
NIDAQ Tools MX を使ったデータ収集は、非常に直感的です。ここでは、基本的なアナログ入力のデータ収集を例に、その手順をステップごとに解説します。
プロシージャウィンドウを開き、次の行を入力します。
#include
<NIDAQmxWaveScanProcs>
入力が終わったらプロシージャウィンドウ下部の「コンパイル」をクリックし、ウィンドウを閉じます。
コンパイルが完了するとデータメニューに NIDAQ Tools MX という項目が追加され、NIDAQ Tools MX のプロシージャファイルが追加したサブメニューが表示されるようになります。
Igor Pro を起動し、メニューバーから データ -> NIDAQ Tools MX -> Wave Scan Panel を選択します。これにより、NIDAQ Tools MX の操作パネルが表示されます。
パネルには、サンプル数、サンプリングレート、スキャンするチャンネルなどを指定するエリアがあります。
なお、複数のデバイスを構成している場合には先にデバイスを選択する画面が表示されます。リストからデバイスを選択して OK をクリックします。一つのデバイスしか接続されていない場合にはこの画面は表示されません。
サンプリングレートや収集するサンプル数を設定します。例えば、0.01 秒間隔で 100 サンプルつまり合計1秒間のデータを収集するには次のように設定します。
Start ボタンをクリックするとデータ収集が開始されます。
Mode が One Shot の場合には、一度だけデータ収集を行い、収集が終わると結果を確認できます。
Mode が Repeated の場合には、繰り返しデータの収集を行います。ウェーブをグラフとして表示しておけば、リアルタイムで結果が更新されます。これにより、センサーの接続ミスやノイズの有無などを、その場で確認できます。
データ収集が完了すると、設定したウェーブ名 (例:ch1_data) でデータが Igor Pro に保存されます。ここからは、Igor Pro の得意分野です。
このようなニーズを持つ Igor Pro ユーザーにとって、NIDAQ Tools MX は間違いなく試してみる価値のあるツールです。ぜひ一度、お持ちの DAQ デバイスと Igor Pro で、その便利さを体感してみてください。
また、プログラミングに慣れているユーザーであれば、付属のプロシージャファイルにはない、独自のインターフェースや機能を追加することも可能です。
30日間のデモ版もありますので、興味がありましたら soft.sales@hulinks.co.jp までお問い合わせください。