Golden Software ブログ:オクラホマ州の誘発地震の可視化

Posted by Andrew Dudley on March 15, 2016

多くの地球科学者および大気科学者はご存知のように、オクラホマ州の地震活動は 2009 年以降、劇的に増加しています。地震の増加は周知の事実です。しかしながら、私はこの新しい現象を取り巻く具体的な詳細と統計情報について興味を持ちました。Oklahoma Geological Survey (オクラホマ地質調査) (以下、OGS) によると、州の北西部および中央部は、歴史的に見て地震活動率が低かったのですが、2009~2016 年の地震活動率が 2007 年以前に比べて約 600% 急上昇しています。私は先日、コロラド州デンバーで開催された 第22回 Annual 3D Seismic Symposium (3D 地震シンポジウム) に出席しました。シンポジウムでは、OGS のディレクターである Jeremy Boak博士がオクラホマ州の誘発地震や人為的な地震について、この新しい傾向がどのように州に影響を与えているのかプレゼンテーションを行いました。

2009年~現在までのオクラホマ州で発生した地震を
Surferで年別に色分けしマッピングした例

過去数年にわたって、地震の増加の原因について議論されてきました。ほとんどの人がオクラホマ州の地震は石油・ガス探査に関連する誘発地震活動、すなわち水圧破砕によって引き起こされたと推測していました。Boak 博士 によると、オクラホマ州の中央部および北西部での破砕のほとんどが、水平掘削を行い、塩水注入を行なって産出圧力を高める深カーボナイト破砕です。これらの 2 つの要因は、油状固形物が塩水から分離されるときに大量の廃水を発生させます。廃水は、通常、注入井戸経由で地層の奥深く、主にアーバックル地層に破棄され、永久貯蔵されます。Boak 博士はプレゼンテーションで、OGS が行なった研究を取り上げ、OGS は「アーバックル基盤への廃水の大幅な増加と、マグニチュード 3.0 以上の地震回数の 600倍以下の増加」との関連を公式に認めました。

Boak 博士のディスカッションで個人的に最も興味深かったのが、廃水が処分されているのが構造体ではないことや、廃水処理と地震発生がどのように石油と天然ガスの生産に関連しているのか、2009 年以降の州全体における地震そのものが非常に多くなっているということです。地震の数は圧倒的です。プレゼンテーションで、Boak 博士は、地震の時系列マップを 2次元のトップダウン方向のアニメーションで表示していました。私は GIS の愛好家として、アニメーションを見ながら自然と「私なら Golden Software のアプリケーションを使って、この期間のオクラハマ州の地震データをどうやって見せられるか」を考えていました。

Boak 博士が説明してくれた OGS サーバーには、ダウンロード可能な最新の地震データがすべて含まれています。地震のカタログデータには、地震の緯度経度、深度、日付、マグニチュードといった多数のさまざまな属性が含まれていて、私のマッピングプロジェクトの有益なソースとなりそうでした。つまり、可視化するのに必要な情報がすべてあるということです。

マッピングプロジェクトに取り組むため、OGS サイトから CSV形式の地震カタログをダウンロードしました。コンター、グリッド、表面マッピングソフトウェアである Surfer で、各年の地震のポストマップレイヤーを作成し、それを Golden Software のウェブサイトにある州と郡の境界を含む US境界ファイル上に重ねることにしました。それから、Surfer の比例サイズ変更を使って、地震の大きさに応じて地震のポイントサイズを作りました。結果、上記の画像のように、地震量が多いため少し雑然としたものになりました。各年の地震を個別に表示する比較マップを生成したかったので、新しい Surfer プロジェクトで 1 年ごとのマップフレームを 8 つ作成しました。各マップフレームには同じ比例シンボルを適用し、同じベースマップレイヤーを使用して下記の図を作成しました。ご覧のとおり、地震の量は 2009 年から大きく増加しています。

2009年~現在までのオクラホマ州で発生した地震を
Surferでマッピングし、年別に比較した例

マッピングプロジェクトの最後に、オクラホマ州の地震を 3D 可視化し、地震の深度を組み込もうと考えました。3D モデリングソフトウェアのVoxlerを使用して、地震のマグニチュードに応じて 3D 球のサイズで分類化した ScatterPlot を作成し、本当の 3D 空間でデータを視覚化しました。地震は地表から 15 km の深さに分布していました。下の画像では、直近 8 年分の地震データをまとめて表示し、地震をクラスター化した見事な図になりました。

2009 年~現在までのオクラホマ州で発生した地震を
Voxler で発生年別に色分けし 3D で可視化した例

次のマッピングプロジェクトのために、これらの使いやすいマッピングアプリケーションと可視化アプリケーションを一度ご覧になってください。