チュートリアル 4:コンストラクトの塩基配列表示

  1. ここまで、コンストラクトを構造図として見てきましたが、この図の背後には DNA シーケンスが存在します。construct#3 ファイルを開いて下さい。

  2. Construct|General Info... コマンドをクリックすると、図14 のダイアログが表示されます。
    図14 一般情報ダイアログ

    General Info には、特定の DNA セグメントや部位に関してではなく、コンストラクト全体に対しての情報が保存されます。つまり、コンストラクトを作り直したり、セグメントを切断したりペーストしても、その情報は失われないということです。DNA の保存場所や、construct#3 で入力したデータなどを記録しておくのに便利です。コメントをデータベース化し、検索することも可能です。

  3. スクロールバーを操作して移動すると、複製起点をもつ f1 DNA がセグメント 3-458 にあることがわかります。ここでは、まず DNA セグメントを指定しますが、このコンストラクトにはマーカーがありません。どうやって位置を指定したらよいのでしょうか? 答えは、コンストラクトを構造図として見るのではなく、シーケンスとして見ることです。General Info ウィンドウを閉じ、Construct|Display|Display Sequence コマンドをクリックして下さい (図15 参照) 。
    図15 コンストラクトをシーケンスで表示

    この図と同じように表示されない場合は、ウィンドウをスクロールアップして最上部まで行って下さい。構造図とシーケンスの対応関係に注意して下さい。色やサイトのマーク、部位も同じように表示されています。ただし、マーキングしたのはタンパク質の部位なので、飜訳されたペプチドは実際の DNA シーケンスの下に表示されます。アミノ酸の行番号に付けられた三角マークは、飜訳の方向を示しています。

  4. 複製起点の f1 をマークする前に、マークすべきヌクレオチドを特定しなければなりません。Construct|Display|Show Positions コマンドをクリックして、位置インジケータを加えます。コンストラクトの構造図でセグメントをダブルクリックしたときのことを思い出して下さい。シーケンス上でも同じことが可能です。すなわち DNA シーケンス上のどこかをダブルクリックすると、セグメントを選択することができます。実際に試してみて下さい。セグメントの境界は、サイトマーカーや色や文字列の変化で知ることができます。

  5. DNA シーケンスのどこかに挿入ポイント (マウスカーソル) を置き、Edit|Select All キー (Mac 版:Command+A キー、Windows 版:Ctrl+A キー) をクリックします。DNA シーケンス全体が選択状態になります。次に Format| GroupingGroup by Tens コマンドを選択します。シーケンスが 10文字毎に区切られて表示されるようになります。Format|Grouping メニューでは、ユーザー定義の設定を作ることもできます。この機能は大変便利で、例えば八量体の場合は、Groups Size8 に設定すると、見やすくなります。

  6. シーケンスを 10文字毎に区切って特定の位置を指定することができますが、DNA の飜訳された部位に対応するシーケンスを見るにはよくありません。飜訳された部位を、対応する遺伝コードの 3グループに分ける必要があります。これは、2通りのやり方ができます。ペプチドに対応する DNA をマウスクリックし、DNA の正しい部位へとドラッグします。もっと簡単な方法は、アミノ酸のシーケンスをダブルクリックします。これは、DNA セグメントの選択を簡単にするために GCK が用意した方法です。どこかの部位をダブルクリックすると、対応する DNA セグメントが選択されます。β ガラクトシダーゼ (244-846) に対応するアミノ酸のシーケンスをダブルクリックして下さい。そして Format|Grouping|Group by Threes コマンドを選択します。

  7. ここで複製起点を指定します。複製起点の特定は、あらゆるコンストラクトにとって必要であり、マーキングした中のどれがその部位にあたるのか、簡単に見分けがつくと大変便利です。複製起点を表す色を決めておけば、簡単に見分けることができます。Format|ColorAdd a Color... コマンドを選択します (図16 参照) 。
    図16 カラー設定ダイアログ

    定義する色の名前として "origin of replication" を入力し、OK ボタンを押します。色見本の中から色を選択して下さい。これで、「複製起点色」の設定が終わりました。Format|Color メニューコマンドを選択すると、この色が登録されています。同様にして、DNA のプロモーターやエンハンサー、その他のサイトを簡単に区別することができます。このようにユーザー定義した色を使ってコンストラクトを表現すると、一目でその特徴をつかむことができます。

  8. 複製起点色のメリットをもう少し見てみましょう。マウスを使って、ヌクレオチド 3-458 を選択して下さい。間違いなくヌクレオチドを選択したかどうかは、ウィンドウの左下隅で確認できます。Construct|Features|Make Region... コマンドを選択します。図17 に示すダイアログが表示されます。
    図17 部位の設定ダイアログ

    ここで、部位の名前とコメントを入力します。タンパク質のシーケンスでない場合は、Protein Sequence チェックボックスは OFF にして下さい。ヌクレオチドの開始点と終了点が 3458 であることを確認して、OK ボタンを押して下さい。

  9. 作成した部位が選択状態になっているはずですので、その設定の編集を行います。Format|Lines メニューをクリックし、両端に矢頭をもつラインを選択します。これで両方向を指し示す矢印が表示されます。

  10. 部位を選択状態にしたまま、Format|Color|origin of replication を選択し、複製起点色に変更します。

  11. Format メニューコマンドを使って、さらにラインの太さや矢頭などを変更することができます。ここまでくると、図18 のようになっているはずです。
    図18 複製起点を表示

    色分けされた複製起点を簡単に識別でき、ダブルクリックするだけで関連する DNA の部位を開くことができます。

  12. File|Save As... コマンドをクリックし、construct#4 の名前で保存して下さい。