11.1 クリギング

クリギングは、その元となるデータセットの空間的な位置関係に関する知識を利用して、実体としては採集されていない点の値を内挿する手段を提供します。この知識をあらわすのがバリオグラムです。クリギングは、局地的変数の理論に基づいて、最適な内挿値を推定します。GS+ には、複数のクリギングタイプが用意されています。

Interpolation ウィンドウには、以下の Krig タブがあります:

 

Kriging Type

GS+ には、通常 (Ordinary) および単純 (Simple) の両方のクリギングが用意されています。通常クリギングは、最も一般的に利用されるクリギングタイプで、調査領域における局所的な近隣域に応じて変動する未知の平均値が一定であることを前提としています。通常クリギングにおけるクリギングの重みの合計は1になります。

 

Variogram

等方性 (Isotropic) および異方性 (Anisotropic) バリオグラムのバリオグラムモデルの定義と選択は、Autocorrelation Analysis ウィンドウの Model コマンドを使用します。Kriging ウィンドウでは、等方性 (isotropic) または異方性 (anisotropic) のいずれを使用するかを指定することができます。相対バリオグラム (relative variogram) を選択して、nugget と構造成分のスケールを 0 から 1.0 の間に変換することもできます。

 

Discretization grid

このセクションでは、クリギングに Point または Block を選択できます。この選択によってサンプリングのデザインと変量特性の基礎が決まります。もし、サンプルを実際のサンプルポイントの周辺領域としてあらわすとすれば(例えば、サンプルが分析前にサンプリング座標の周囲から複合的に構成されている場合)、Point よりも Block クリギングが適切になるでしょう。サンプルを点の値としてあらわす場合は、Pointクリギングが適切なものになるでしょう。

ブロッククリギングの場合は、クリギング時に内挿する点の周囲に配置する離散化グリッド (局所グリッドとも言う) を定義する必要があります。この内挿点の推定には、離散化グリッドの各点の平均値がベースになります。使用する離散化グリッド点の数は、X および Y ボックスで設定できます。例えば、X 方向に2点と Y 方向に2点とすれば、使用する離散化グリッドの点は4になります。

離散化グリッドのサイズは、内挿グリッドによって変わります。標準グリッドのサイズは、それぞれ X および Y 方向の距離間隔と等しくなります (Chapter 9: Defining a Regular Interpolation Grid 参照)。不規則グリッドの場合は、Define Interpolation Grid ワークシートで離散化グリッドのサイズを指定します(Chapter 9: Block Size under Defining an irregular Interpolation Grid 参照)。