9.2 Interpolation ウィンドウ
- Interpolation Range
- Output File Name
- Output Format
- Output Variance
- Search Neighborhood
- 内挿タイプ – Krig, Cokrig, Simulate, IDW
- Calculate
- Validation
Interpolation ウィンドウには、サンプリングされていない地点の値を見積もるための手法として、Kriging、Cokriging、Conditional Simulation、および、Inverse Distance Weighting へのリンクが用意されています。内挿によって、GS+ がマップの作成に使用するアウトプットファイルが生成されます。アウトプットファイルは、他のマップ作成プログラムでも読み込むことができます。
Interpolation Range
内挿の推定値を配置する場所を定義します。矩形領域にグリッドを等間隔に配置したり、ユーザー定義の位置に設定にすることができます。いずれの場合も、含める領域と除外する領域とを定義するマスクの有無を指定できます。
- Regular x-y grid (specified intervals)
X 方向の長さと Y 方向の長さの矩形によってグリッドを定義します。いずれの方向も、グリッドが交差する間隔を指定できます。内挿する位置は、全てのグリッドの交点になります。
デフォルトの範囲は、X 座標と Y 座標の最大値と最小値によって、間隔は各方向のポイント数に基づいて定義されます。1次元のデータセットには y 方向はありません。
グリッドは、Define コマンドをクリックすると表示される Interpolation Grid ダイアログウィンドウで変更できます。
- Irregular x-y grid (specified points)
等間隔でないグリッドを構成して、ユーザーの指定した位置のみを補間することができます。Define をクリックすると、Interpolate Worksheet が表示されますので、ここに位置情報を入力するか、外部テキストファイルをインポートすることができます。
- Include shapes (polygons)
クリギングの前に inclusive (含める) や exclusive (除外) するためのポリゴンを定義することによって特定の形状を内挿したり内挿から除外することができます。Define をクリックすると、Polygon Outlines Worksheet が開きますので、そこにポリゴンを定義します。詳しくは後で説明する
Define Polygon Outlines をご覧ください。
- inclusive ポリゴンでは、ポリゴンの内側の領域が内挿 (マッピング) されます。
- exclusive ポリゴンでは、ポリゴンの内側の領域が内挿 (マッピング) されません。
- Constrain Z estimates
推定する Z 値 (内挿値) が特定範囲になるよう制約条件を付けることができます。例えば、ゼロより小さい値が不適切なものであれば、ゼロより小さい Z 推定値をゼロとしてレポートさせることができます。Define をクリックすると Z Estimate Boundaries (Z 推量の境界) を指定するダイアログボックスが表示されます。これについては後で説明します。
Output File Name
Select をクリックすると、クリギングによる内挿推定値を記述する既存のファイルまたは新規ファイルを選択することができます。View をクリックすると既存のファイルの内容を確認することができます。
Output Format
GS + で推定量を書き出しできるファイルフォーマットは、以下のタイプのいずれかです:
- GS + format (.krg) :
このフォーマットでは、ヘッダ領域に後でマッピングを開始するのに必要な内挿グリッド、変量名、および、このファイルに関連するその他の情報を定義し、その後に、クリギングで内挿したり Z 値を推定する XY 座標の各位置、Z 推定値の標準偏差、および、推定に使用した近傍数を含むデータレコードを定義します。詳しくは、後で説明する例をご覧ください。
- Surfer ® Grid format (.grd):
このフォーマットでは、マッピングに必要な情報を短いヘッダ領域に定義し、その後に内挿グリッドの NW 隅からはじまる Z 推量の連続ストリームとしてデータを記述します。このフォーマットには、内挿で使用した推量の標準偏差と近傍数は含まれません。このフォーマットは、Golden Software 社製マップ作成プログラム Surfer と互換性があります。このフォーマットは、Surfer XYZ Input ファイルフォーマットとは異なる点に注意してください。詳しくは、後で説明する例をご覧ください。
- ArcView ® Format (.asc) :
Surfer フォーマットと似ていますが、ヘッダ領域のフォーマットと内挿グリッドの NW 隅から始まる Z 推量を記述するパターンが異なります。このフォーマットには、内挿で使用した推量の標準偏差と近傍数は含まれません。また、このフォーマットでは、x と y の内挿間隔を同じにする必要があります (Interpolation Grid ダイアログウィンドウでこれを同じに設定することができます)。このフォーマットは、ESRI 社製 ArcInfo ® Geographic Information System と互換性があります。詳しくは、後で説明する例をご覧ください。
- GSLib Format (.out) :
このフォーマットは、GeoEas インプットフォーマットと似ています。最初の長いレコードには、GS+ で GSLib ファイルをマッピングする際に読み込む座標間隔の情報が含まれています。このファイルの第2レコードでは、“estimate,” “estimation variance” (または “standard deviation”), および “neighbors” という名称の3つのヘッダレコードを指定します。これらの後に続くレコードは、Surfer ® と同じ順序になりますが、1レコードに1つ (Z 推量) ではなく3つのフィールド (estimate, estimation error, および number of neighbors) があります。詳しくは、後で説明する例をご覧ください。
Output Variance
- レポートする推定誤差として推量の分散 (Variance) か推量の標準偏差 (Std Deviation) のいずれかを選択できます。
Search Neighborhood
GS+ では、距離によって重み付けられた最近傍値を使用して特定位置の値を内挿します。内挿する値の推定には指定した数の近傍だけが使用されることになります。また、近傍は、これから推定を行う位置の周囲にある特定の地理的領域の範囲内にある必要があります。
デフォルトの値に設定されている最近傍の値 16 は、通常は十分な値です。また、近傍の半径にはデフォルトでは何の制限も配置されていません (クリギングでは、バリオグラムの範囲の外にある近傍も同様に重み付けされ、構造的依存性が十分にあれば、重み付けは最小限に抑えられます)。最大近傍数は 64 まで対応していますが、近傍数を 16 以上に指定すると内挿にかかる時間はそれだけ長くなります。探索する地理的領域には、円形 (Round) または楕円形 (Elliptical) を選択できます。楕円を選択した場合、その幅と長さに加えて、楕円の角度を指定する必要があります。デフォルトの角度は、セミバリアンス分析で使用する異方性軸の方向と同じになります。
さらに、地理的近傍を8つに分割する Octant Search を指定することで、内挿に使用する近傍をオクタント (8分円) に含まれる数だけに限定させることもできます。推定する位置の片側だけに近傍が多くあり、片方の近傍だけ不均衡な数を使う危険性がある場合にこれを使うと便利です。Octant Search では、与えられたオクタントから使用される近傍数を制限します。
共クリギングの場合は、共変量 (Z2) に関する探索条件を別に指定する必要があります。これらの条件は、Covariate タブの Search ボックスで設定します。
内挿タイプ – Krig, Cokrig, Simulate, IDW
内挿法には、ウィンドウの右側にあるタブから Kriging, Cokriging, Conditional Simulation, または IDW (Inverse Distance Weighting) を選択することができます。それぞれのタブのオプションについては、次のセクションで説明します。
Calculate
内挿分析を実行します。分析中は、指定したフォーマットのアウトプットファイルに値が記述されます。分析を停止するには、Escape キーを押すか、プログレスバーの Cancel ボタンをクリックします。
Validation
GS+ には、2つのタイプの検証 (Validation) 法が用意されています。Cross-validation と Jackknife analysis の2つです。Cross-validation 分析では、空間的領域の測定ポイントのそれぞれが領域から1つずつ除外され、それが無いものとして推定値が計算されます。計算が終わると除外されたポイントは元にもどされ、別のポイントが除外され、以下同様に計算がおこなわれます。こうして、領域内のサンプル位置のそれぞれについて、実際の値に対する推定値で構成されるグラフが作成されます。
Jackknife analysis では、インプットデータとして利用するのとは異なる地点の集合に関して測定値に対して推定値を比較します。jackknife データは、“Define” コマンドを押すと表示されるワークシートで指定します。
2つの検証分析については、後で詳しく説明します。