9.1 概要
内挿 (Interpolation) は、ある領域において、実際に抽出されていない点に関する値の推定です。
内挿法には、隣り合うサンプルポイントの値を平均するだけの単純な線形的手法から、隣り合うサンプルポイントの距離とそれらの自己相関の度合いに基づいて平均に重みを使用するクリギングのようなより高度な手法まで様々な種類があります。
GS+ には、大きく分けて4つの内挿法が用意されています。これらはいずれも、最近傍 (nearest-neighbor) 技術で、内挿ポイントの値の見積もりに、内挿ポイントに近い位置の値を使用します。これらは隣接する位置の重み付けと内挿の計算法が異なっています。4つの手法は以下のとおりです:
- クリギング (Kriging)
隣接する地点の値と、データセットの背景にある空間的な位置関係に関する知識にもとづいて内挿を見積もる手法です。 背景にある関連性についての知識を提供するのがセミバリオグラムです。 与えられた地点における推定値は、局所的領域の分散を最小化するよう最適な見積もりを算出する重み付きの移動平均です。 クリギングには、後で示すように複数の種類があります。
- 共クリギング (Cokriging)
クリギングに共変量 (covariate) を含める内挿で、この共変量は主変量に関係し、かつ、主変量より多くの地点で測定されます。共クリギングのバリオグラムには、主変量 (primary variate)、共変量 (covariate)、および、交差変量 (cross-variate) に関するものがあります。
- 条件付きシミュレーション (Conditional Simulation)
確率論的なシミュレーションの様式に基づいた内挿で、各地点におけるデータの値を尊重します。クリギングで行うように平滑化によって局所的な地点があいまいにならないことを意味します。
- 逆距離加重法 (IDW) と正規距離加重法 (NDW)
内挿する位置からの距離によってのみ重み付けされた隣接位置における値に基づいて内挿を見積もるものです。IDW も NDW も隣接ポイントの距離が近いほど内挿する位置の値との関連性が強くあるだろうという基礎的前提条件以外の空間的関連性に関する前提条件はありません。IDW は、NDW に比べて隣接ポイントに適用する重みが強くなります。
これらの手法に関する詳細は、後で詳しく論じます。