8.2 分散クラウド (Variance Clouds)

地点 ij にある任意のポイント対の分散を計算する式は、ポイント間の差の平均平方として要約できます:

Varij = [zizj]2

ここで、

与えられた任意の対 (i, j) は、ある特定の距離によって分割されます。分散クラウドグラフでは、この距離を x 軸に沿ってプロットします。あるグラフの全ての対は、分離距離 (ラグ) クラスが同じになります。

なお、分散クラウドは、その方向 (等方性か、特定の異方性の方向か) とラグクラスによって異なります。以下のバリオグラムでは、等方性バリオグラムのラグクラス 7 をあらわすポイント上にカーソルがあります。他のポイントとは異なっているためそこに外れ値があると考えられます。

このバリオグラムのポイントをクリックするか、Cloud ボタンをクリックすると、以下に示すようにラグクラス 7 に関する分散クラウドが表示され、多くの対がそれ以外の対とは非常に異なっていることが明らかになります。外れたそれぞれのポイントにカーソルを置くと、これらが、対番号としてレコード4にあることがわかります。以下の図は、ウィンドウの下に記載があるとおり、分離距離 53.79 のレコード4と 98 をあらわすポイント上にカーソルを置いたものです。

この分散クラウドのポイントをクリックすると、Sample Details ウィンドウが表示されます。このウィンドウには、この対に関するデータレコードのひとつを一時的にマスクするオプションが用意されています。

レコード4は、対の外れ値の全てのメンバーであるため、値として 6.0 を持つレコード4 (これは Data Worksheet で確認できますが、データが変換されている場合は変換された値とワークシートの値は一致しません) をマスクします。これにより、より妥当性のあるバリオグラムを得ることができます:

ラグクラス 7 に関する分散クラウドを再度調べてみると (下図参照) 、y 軸の最も高い値は、前と比べて大幅に下がっていますが (167.4 から 1.21)、更に重要なことは、主要な外れ値の対の全てが無くなっていることです。分析から単一のデータレコードを除外することによってこうなったのです。

右クリックメニューとその他のコマンドは、Variograms ウィンドウで行うのと同じです。