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更新日: 14/05/15

QuickTime ビデオの作成

CrystalMaker は、作成した結晶モデルをアニメーションとして編集・保存し、繰り返し再生が可能な QTVR ファイルとしてエクスポートすることができます。ビデオ作成のために、CrystalMaker は QuickTime® を採用しました。ここでは QuickTime ビデオの圧縮技術と、実際に結晶モデルのアニメーションを作成したときのビデオ品質とファイルサイズについて説明します。

 

ビデオ圧縮

コンピュータの画像ファイルサイズを小さくするという意味で、「圧縮」という言葉はよく知られています。インターネット上では、JPEG ファイルがよく使われています。

ビデオの場合は、静止画と比べるとファイルサイズが大きいため、ちょっとやっかいです。ビデオ(動画)は、1秒間に何枚もの画像を表示するため、必然的にサイズが大きくなります。そのため、様々なビデオ圧縮アルゴリズムが開発されました。静止画の圧縮と同じような方法もあれば、もっと進んだ方法、すなわち動画のコマとコマを比較し、変化があった部分だけ保存するという方法などです。

 

QuickTime の使用

圧縮設定ボタン

CrystalMaker ビデオパレット((Window|Palette|Video コマンドをクリックします)には、圧縮設定ボタンがあります。このボタンを押すと、ビデオ圧縮設定ダイアログが表示されます。CrystalMaker では、QuickTime が提供する様々な圧縮設定をすべて使用することができます。すなわち、ビデオのフレームレート、出力ファイルサイズ/品質の設定、「コーデック」と呼ばれる圧縮方法の選択などが可能です。

ここで質問です。どのコーデックを使用し、どのような設定が、アニメーションビデオ作成に最適なのでしょうか?

CrystalMake の圧縮設定ダイアログ。一番上に Compression type のポップアップメニュー(=コーデックの選択)、その右下にビデオ品質のプレビューがあります。

 

最良のビデオ設定の選択法

ビデオ作成で最も悩むのが、画像品質とファイルサイズでしょう。この両者はトレードオフの関係にあり、最良の画像品質にすると、最大のファイルサイズとなってしまいます。コーデックによって、バランスの取れた使い道があります。

CrystalMaker は、デフォルト設定では Animation 圧縮法を使用するようになっています。これは、非常によい選択です。この圧縮法は、CrystalMaker などのプログラムが作るイラスト画像に、特に効果があります。ただし、圧縮率は高くはありません。

さらに圧縮率の高い方法、たとえばポピュラーな H.264 コーデックなども選択できますが、この方法は CrystalMaker の画像には向いていません。すなわち、フレーム間の変化があまり大きくない実写画像の圧縮のために開発されたものだからです。こうしたコーデックをフレーム間の変化が大きい画像に使用すると、あまりよい結果は得られません。

 

コーデックのテスト結果

どのコーデックおよび設定を選択したらよいのか判断する手助けとして、CrystalMaker の典型的なファイルを使って、ファイルサイズ、ビデオの品質を測定しました。

テストの設定:フラレーン構造(バッキーボール)、ボール&スティックモデル、赤と青のステレオ画像、画像サイズ 800×600 ピクセル、16,777,216 色。60 フレームでボールが 1回転(6° 間隔)。レンダリングモードは最高品質(Rendering|Full Rendering Mode コマンド)。

出力ファイルサイズと品質(主観的評価)ランクをまとめたビデオ圧縮法のテスト結果
コーデック 設定 容量
[MB]
品質(*)
のランク
コメント
Animation Millions / Best 29.7 1
Animation Millions / High 24.4 =1
PNG Millions / Best Filter 10.8 =1
JPEG 2000 Millions / Best 24.5 =1
JPEG 2000 Best Depth / Best 24.5 =1
JPEG 2000 Millions / High 12.3 =1
JPEG 2000 Best Depth / High 12.3 =1
JPEG 2000 Millions / Medium 11.2 =1
JPEG 2000 Best Depth / Medium 9.7 =1
JPEG 2000 Millions / Low 7.4 =1
JPEG 2000 Best Depth / Low 5.7 2
Animation Thousands / Best 13.4 3 容量が許すならばよい選択
Animation Millions / Medium 16.9 4
Photo JPEG High 5.5 5
JPEG 2000 Millions / Least 2.7 6 品質/容量でみれば最良
Aimation Millions / Low 13.4 7
Animation Thousands / High 9.5 8 シャドー部分でバンディング現象が観察される
MPEG4 Video High 6.4 9 若干のシミが観察される
Apple Intermediate Other 5.6 10
H.264 High 3.1 11 よく使われる圧縮法だが、イラストには不向き。細部の輪郭がぼやけ、色の忠実性にもロスあり。
Apple Pixlet Medium 3.8 12
Animation Millions / Least 10.2 13
Animation Thousands / Medium 7.3 14
H.264 Medium 1.7 15 色シミが観察される
MPEG4 Video Medium 2.0 16 これ以下の品質は受け入れがたい
Photo JPEG Medium 2.6 17
JPEG 2000 Best Depth / Least 1.7 18
DVCPRO PAL Progressive 8.2 19
DVCPRO50 PAL Progressive 16.5 20 ファイルサイズが大きいのに品質は貧弱
Animation Thousands / Low 5.9 21
Animation Thousands / Least 5.9 =21
DV - PAL Progressive 8.2 22
Apple VC H.263 Best 2.3 23

(*) 主観的な品質評価順位。1が最高順位。

 

考察

ここで注意していただきたいのは、このテストは CrystalMaker を使って、ある特定のモデルに対してテストを実施したということです。組合せを変えて別のモデルを使用したら、異なる結果が出たでしょう。

コーデックの違いをはっきりさせるために、ビデオに表われた特徴を、たとえばストライプやバンディング現象に着目しています。なぜならば結晶モデルを回転させたとき、細部のわずかなボケはあまり目立たず、それよりもストライプやバンディングの方が見苦しいからです。

異なる圧縮設定で出力したビデオ画像例
最高品質の Animation 設定
品質を抑えた Animation 設定。シャドー部にバンディングと水平方向に筋が表われている
中品質の H.264 設定。細部の色にシミと欠けが見られる
DV PAL 設定。ボケが大きく水平方向に縞模様が出ている

 

テストの結果、ファイルサイズで見てみると、1.7 から 29.7 MB まで 15通りの結果が出ました。興味深いのは、必ずしもファイルサイズの大きなものが品質がよいとは限らないことです。とりわけディジタルビデオカメラに採用されているコーデックは、ファイルサイズが大きくてビデオ品質が貧弱という結果が出ました。よく使われる H.264 も同様で、自然風景などを撮影するときに向いているようです。

このテストで一番よかったのは JPEG 2000 コーデックで、16,777,216 色、出力品質は低または最低が推奨です。とはいったものの、多面体表示のような直線的なエッジをもつモデルの場合、お奨めは Animation、低または中品質、32,768 色です。

 

結論

CrystalMaker で標準的なモデルのビデオを作る場合は、JPEG 2000 コーデックの 32,768色、低または最低品質の設定が最良です。他のモデルを採用した場合、設定を少し変える必要があるかもしれませんが、この表を参考にして下さい。

 

 

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