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Tecplot RS を使用して Strickland Group は複数の油層シミュレータの結果を比較・検証する統一環境を実現

October 15, 2011

石油ガス業界のような技術的に複雑な業界で —— 数十億ドルの収益がかかっているとき —— 油層エンジニアは、確信をもって、複雑なシステムの挙動を合理的な精度で予測しなければなりません。

The Strickland Group 社長の Richard F. Strickland 博士は、油層挙動解析の専門家です。博士のもとには、1 つの油田に対して、異なる油層シミュレーションデータセットを比較し、そのデータを解釈して、予測が合理的かどうかを判断し、回収計画に関する提言をしてほしいという依頼が頻繁に来ています。これらのデータセットはさまざまシミュレータによって生成されているため、妥当な精度で結果を比較・検証することが困難な場合がほとんどです。

油層の 3 D 表示。画像作成:Tecplot Inc.

この問題を解決するため、Strickland 博士は油層シミュレーション可視化・分析ツールである Tecplot RS を、データセットの共通インターフェイスとして、油層およびガス層モデリングに使用しています。Tecplot RSは SENSOR®、ECLIPSE、INTERSECT、CHEARS、VIP、CMG 等、メジャーな油層シミュレータすべてに対応しています。FrontSim および 3DSL にも対応しています。

Strickland 博士は、最近2つの石油会社から、2社が共同所有する熟成油田の採収の次のステップを決定するために協力を依頼されました。油層には、複数のゾーンを持つ地質学的に複雑で、厚く、約 100 の油井がある等の難題がありました。また、長年にわたって、一次減耗、追加掘削、水攻法、およびガス圧入法等、さまざまな回収メカニズムを実施してきました。このレベルの複雑さは、ヒストリー・マッチングを困難にしていました。

油層調査は1社が VIP で、もう1社が ECLIPSE で行っていました。Strickland 博士は第3の視点として、独自に SENSOR® でシミュレーションを実行した後、3つの結果を比較する必要がありました。博士は3つのシミュレータに対応した統一作業環境を提供する油層可視化・解析ソフトウェアである Tecplot RS に頼ることにしました。

「以前は顧客が所有するシミュレータとまったく同じ契約で、私もライセンス契約していました。しかし、私は随分前にそれを諦めました。」と Strickland 博士は話しています。

Tecplot RS を使用して、複数のシミュレータの石油生産率の履歴とモデルを1つのグラフ上にプロットしたもの。画像提供:The Strickland Group

 

Strickland 博士は、3つのシミュレータの XY データを Tecplot RS に読み込むことから始めました。Tecplot RS の比較機能によって、VIP、ECLIPSE、SENSOR、および履歴データの結果をすべて1つのグラフにオーバーレイし、フィールドパラメータを油井ごと、群井、またはフィールド全体で解析することができました。

「Tecplot RS のおかげで、油井または群井ごとの石油生産量、ガスと水の生産量、抗井レベルの圧力分布によって、フィールド全体の生産量を含む、さまざまな油層パラメーターのグラフをすぐに表示できるようになりました。」と博士は述べています。「我々は、ここで大量のデータについて話しています。Tecplot RS は大量のデータの分解と管理に役立っています。」

Tecplot RS のデルタ機能によって、Strickland 博士は履歴とシミュレートされたデータの実際の違いを見ることが可能になり、自身の主観的観察を定量化することができます。

XY データを比較すると、根本原因をより深く理解することが必要な問題領域が明らかになります。Strickland 博士は Tecplot RS の 3D 可視化機能を使用して、貯留岩と流体の分布を空間的に理解し、ヒストリー・マッチが理にかなっているかどうかを判断しました。時間による圧力や流体飽和などのさまざまなプロパティをアニメーション表示することで、フィールドの状態をより理解することができました。Strickland 博士はスライス機能を使って、圧入と産出がどのように相互に対応するのかといった重要な相互作用を理解しました。また、ブランキングを使用して、 ガスキャップがどのように移動するのかといった関心領域を分析しました。

Tecplot RS で生成された任意のスライス。このような 3D 画像によって、油層エンジニアは油層内部の流体の挙動をより良く理解することができます。

 

「私は 3D グリッドの大量のデータを素早く処理し、3 ~ 4 つの油井を特定し、不要なものを消し、ズームダウンして、圧入井戸と産出の対応を観察します。」と博士は述べています。「どのように相互に反応するのか?石油は下に沈むのか、それとも特定の油井に集中するのか?ガスキャップの移動はどうなのか?それはコーニングなのか?」

大量の油層データを理解することは骨の折れる作業ですが、Strickland 博士は Tecplot RS を使用して、すべてのデータを管理し、分析を実行し、油層を視覚的に探索し、そして最終的にさまざまな推定をそれぞれの長所と短所と共に理解することができました。合理化されたワークフローに加えて、Strickland 博士は使いやすいインターフェイスと Tecplot RS で作成することができる出版物レベルの品質のグラフを楽しんでいます。

博士はこう言っています。「Tecplot RS は本当に万能です。」

 

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