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脳の選択的処理をつかさどる選定メカニズムの分析に KaleidaGraph を使用

脳の研究は、魅力的であると同時に複雑な作業の積み重ねです。脳の情報処理システムは、その能力に限りがあるため、「選定メカニズム (selection mechanism) 」なるものが存在し、ある物事に対して選択的処理が必要か否かを判別していると考えられています。しかし、この「選定メカニズム」がどのように働くのかは未だに解明されていません。

米ライス大学心理学研究室は、期待された報酬よりも多いか少ないかで対象や行動を判定する神経伝達物質ドーパミンを使用した脳の報酬刺激系 (reward motivation system) がこの選定に関与しているという理論に基づいた研究を進めています。報酬の程度が期待より上回るか下回るかによって、処理すべき事柄や行動が選ばれるという考え方です。もしこのモデルが正しければ、注意力や記憶の働きの解明に大きな一石を投じることになります。

また、ある精神的な病に罹った場合にはこの選定システムが正しく動作しない場合もあると研究者は考えています (例えば、統合失調症ではドーパミン経路が混乱し、処理されるべき事柄が誤って選ばれているかのような混乱が統合失調症の患者の思考に生ずるような場合)。薬物乱用の障害との関連で、薬剤を期待を上回る報酬と誤って判定し、危険行動の負の影響が過小に評価されることで、この報酬に基づく選定システムの働きがどのように変化するのかという点にも科学者たちは関心を抱いています。

実験室では神経画像解析の研究が進行中

ライス大学の心理学実験室では、健常者と神経病理学上の患者を対象に知覚、注意力、動機に関する神経画像解析 (Neuroimaging) の研究が進められています。現在、3つのラインに沿って実験が進められています。ライン1:正常な認識における基本モデルの働き。ライン2:統合失調症におけるシステム悪化の試験。ライン3:薬物乱用とそれに関連する人格特性の研究。各ラインには、それぞれひとつ又はそれ以上の実験が伴い、それぞれの実験は、計画から発表に至るまでおよそ2~4年の年月を要します。

これまでに、この研究のほとんどにおいて教育大学で注意と刺激の基礎メカニズムを学ぶ 約200~300 人の学生が関わっており、統合失調症の患者 30~40人、薬物乱用の患者 50 人以上からデータが得られています。

多次元データのプロットに KaleidaGraph を使用

実験室の研究者は、これまで自作のアプリケーション(テキストインターフェース)か、脳内電気活動のデジタル信号処理用に開発されたソフトウェアの頑固なプロット作成用サブルーチンを使用していました。これらはいずれも、既にサポートが終了しているか、充分なフレキシビリティをもたずニーズを満たせないないものでした。

プロットのデータは、脳内電気デジタル信号の処理に使用している私有ソフトウェアからタブ区切りのテキスト形式で出力されます。Microsoft Excel で幾つかの細かい前処理を経て、そのファイルを KaleidaGraph で直接開き、多次元データをプロットします。(時間(ミリ秒) x 振幅(マイクロボルト) x 位置 (128 の頭皮記録電極) x 実験条件又は診断群又は組合せ (例:統合失調症の患者 (通院あり) vs (通院なし) vs 対照群の通院ありと通院なし))

これらは、通常、複数 (各記録電極につき1つ) の時間 (X-軸) – 電圧 (Y-軸) ラインが重なり合うプロットになります。(各条件のグループ毎にラインタイプが作成されます)

「我々は KaleidaGraph を使って人間の脳内電気活動を表す時間-電圧プロットを素早く作成しています。」とライス大学助教授で 4年来の KaleidaGraph ユーザーでもあるジェフリー・ポッツ氏は述べます。「我々は、実験データに合わせたグラフのテンプレートを作成し、複数のデータセットをそこに読み込ませることで、データの調査や公表に使う波形プロットを素早く手間をかけず作成しています。」