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豆を生かすか生かさぬものか、帰する因子は2水準 … 発芽の実験

図1:発芽中のエンドウマメ ( オーバーン大学の実験より)

インターネットをつかって、“Design-Expert®”、“design of experiments” 、その他、質問を受けた特定の用途に関するキーワードを検索することが良くあります(DOE -実験計画法- という考えは広まっていますが、具体的にそれをどのように運用するかに頭を抱えている方は少なくないようです)。私がクリックするのはそのうちのほんの数件に過ぎませんが、中には思いがけずとても興味深い情報にめぐり合うことがあります。例えば、オーバーン大学のサミュエル・ギン・カレッジ(工学部) (Auburn University’s Samuel Ginn College of Engineering) で化学工学を専攻する学生チームが掲載している "DOE—Bean Experiment" (実験計画法:豆に関する実験) というレポートがそれです。

このタイトルが目に付いたのは、私は以前ミネアポリスのゼネラル・ミルズ (General Mills) 社に勤務していたからです。販売部門を経たあと、とろみのあるサラダドレッシングなどで良く使われるグアル豆 (guar bean) のバイヤーとしてそこで何年も過ごし、豆を成長させる要因とその謎について多くを学びました。内胚乳 (endosperms)、子葉 (cotyledons)、といった専門用語が踊るオーバーンのこのレポートを目の当たりにしたとき、胸の中で炎がめらめらと燃え盛りはじめたのを感じました。

発芽実験に目を向けたのが、文字通り技術者としての芽を伸ばそうとしている学生チームだったというのもあります (笑)。彼らの調査内容は次のとおりです:

  1. 豆の種類:Lima (ライマメ) 対 Kidney (インゲンマメ) (参照:図1)
  2. 光の照射:No 対 Yes **
  3. 水中の塩分濃度:0 対 4.7 モル% (水道水と食塩水)
  4. 華氏温度:70 対 80 度

完全2水準要因を2ブロックに分けて繰り返しました (24x2=32 runs)。

実験結果は、まさに光明の差すが如き (enlightening) 意義あるものでした。図2に示す半正規プロットは、反復試行で生じる正規分布に従う計測誤差 () から外れている効果を強調表示したものです。直線に近いもの、すなわち、AC や BC は p<0.1 しか有意差はありませんので、重要度の大きさはわずかです。

図2: 豆の実験で得られた有意な効果

 

4日間の成長実験の結果、以下のことが明らかになりました:

図3:豆の種類と温度に関する交互作用

 

ところで、Design-Expert の診断機能に装備されている Box-Cox プロットから、モデルのあてはめが対数変換で有意に改善することがわかりました。わたしの場合、真数にし易いことから、底 10 の常用対数を使いますが、この事例では、自然対数を適用するのがナチュラルだと思います (冗談です)。どのような事例でも (使用する対数が常用か自然かにかかわらず)、この対数変換によって、成長が高いほど最小有意差 (LSD) バーの幅が広くなります。

全体として学生実験者チームがまとめたこの論文は大変良くできていました。化学工学の研究者としての道を彼らは着実に進んでゆくのだと確信しました。

—Mark J. Anderson, mark@statease.com

* インターネットで “DOE Bean” を検索して、Jaki Fleming, Emily McMenamin, Andy Todd, Adam Warnke らによる 12/2/09 付けのレポートを見つけてください。(訳注:現在は無いようです)
** 私なら、この因子の順序を反対にします。つまり、"No" を低水準 (マイナス)、"Yes" を高水準 (プラス) に。こうすることで、実験結果の読み取りに混乱がなくなります。

 

記事原文:

 

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