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Design-Expert (デザインエキスパート)
Stat-Teaser

本ページは Stat-Ease 社の許可を得て、Stat-Ease 社のニュースレターである「Stat- Teaser」2010年8月号の記事を翻訳したものです。

ポップコーンポッパーで DOE – パート2

前回の Stat-Teaser ニュースレターで Whirley Pop™ ポップコーンポッパーと、毎週の「ムービーナイト」におけるその重要な役割について書きました。中央点を持つ 23 因子における、かき混ぜ (stirring)、余熱時間 (pre-heat time)、ポップコーンのブランドの効果について実験しました。因子と計画の結果の詳細は、パート1 をご覧ください。最初の実験計画 (DOE) から、いくつかの面白い結果、良い実験から期待されること、さらに多くの興味深い疑問を見つけました。今回は、これらの疑問に答え、「ムービーナイト」が今後何年にもわたってより楽しめるようにするための最高のポップコーンを作る方法を学ぶため、最初の実験計画を拡張します。

最初の DOE において、最高の味、食感、量のポップコーンを、「常にかき混ぜ (1.0 のレベル) 」、「余熱なし」で得ることができました (同様の結果が図1のこの計画のグラフから導くことができます) 。最後の因子、ポップコーンのブランドは統計的に有意とはなりませんでした。最初の DOE での主な発見は、中間点を移動させることによって可能となった顕著な曲面でした。曲面は、おいしくできるかどうかは、かき混ぜる時間によってのみ左右されることを示しています。この疑問はさらなる調査を求めます:より少ない作業でよりおいしいポップコーンを作りたいと思わない人はいないでしょう。この疑問に答えるために、2次元モデルに合うように点を追加することによって、曲面に合うように元の因子計画を拡張します。

図1:味覚応答の 3D 曲面プロット
Figure 1: 3D surface plot of the Taste Response

 

計画の拡張

Design-Expert ソフトウェアの計画を拡張することは、とても簡単です。「Design Tools」メニューから「Augment Design」を選びます。デフォルトの拡張は RSM (応答曲面法:Response Surface Method) 最適設計でした。RSM 計画はより高い順序モデル (この場合は2次元) をフィッティングし、山と谷を探すことで最適なプロセス設定を見つけます。通常、因子計画から標準的な中心複合計画 (CCD) を拡張しますが、この場合、その選択肢を使うことができないカテゴリー的な因子 (ポップコーンのタイプ) です。従って、(RSM 最適設計経由で) コンピュータが生成した最適なアルゴリズムを使うことが、唯一の方法です。2次元モデルのためのデフォルトの拡張は、4つのモデル点にすることです。これは次のことを示しています。既存のデータにさらに4つの点を追加することによって、どの2次元の区間が中間点を通る曲面を正しくモデル化できるのかを解決することができます。しかし、設計空間の一部分 (Fraction of design space: FDS) を使った計画を評価した後、より高い精度を求めるために6つの点を追加することにしました。計画を構築した後、特にこのような拡張をした後の評価は常に重要なステップです。

結果

手元にある新しいデータで、最初の DOE で見つかった顕著な曲面が、味とはじけていない粒 (UPK:unpopped kernels) の両方のモデルにおいて顕著な A2 期間のためである、ということは明らかでした。図1では、新しいモデルにおける曲面を示しています。これは最初の DOE の後では存在しなかったものです。これは因子計画と RSM 計画の主な違いです。

RSM 計画では、カーブフィッティングをし、それにより複数レベルの空間の中央にある最大点を見つけることができます。これは直線でフィッティングする2レベル因子計画では行えないものです。例えば、図2のカーブの高い余熱 (B+) を見てください。約 0.6 だけかき混ぜるレベルが、最もおいしくて、おいしさを落とさずかき混ぜる時間をより少なくできます。また、LSD バー (I ビーム) も短くなりました。バーが短くなるということは、より信頼性が高くなるということで、これは DOE をより多く試行することの結果です。最初の DOE において、LSD バーが重なっているため、常にかき混ぜている状態で B- と B+ の間には統計的な違いはないと言いました。しかし、より多くのデータを使うと、より LSD バーが短くなり、統計的に有意な違いがあることは明らかです。余熱なし (B-) がより良い選択です。図の余熱なし (B-) 曲面から判断すると、よりおいしく作るにはかき混ぜ続ける (1.0) 必要があるようです。

図2:DOE II の味覚応答に対するかき混ぜと余熱の効果
Fig. 2: Effect of stirring and pre-heat on the taste response for DOE II

最適化は通常、一連のトレードオフとなります。私たちの場合、モデルのグラフを見ることから始め、数値的な最適化のそれぞれの応答で目標を設定しました。この分析は 0.76 かき混ぜると、UPK を最小にしますが、それでもポップコーンをよりおいしく、食感もよく、量も多くするには常にかき混ぜる (1.0 の時間) 必要があることがわかります。Design-Expert の予測ノードを使って、これらの2つの可能なソリューションの予測を比較しました。比較は、かき混ぜる時間が短いと、UPK の数が減りますが、1~5 の範囲でいうと、ほぼ1となるぐらい味と食感が悪くなります。したがって、4つすべての応答に対して目標を設定するために、最適条件を同時に探すために数値的な最適化を使ったとき、(余熱なしで) 常にかき混ぜることが解決策であることを発見しました。言い換えると、最高のおいしさを得るためには、トレードオフとして、幾分か UPK が増えることを受け入れなければなりません。

ポップコーンのブランドは関係ないことを確認したため、お金を節約するために安いポップコーンで済ませることができます。さて、RSM 計画の核心です。図1の3次元サーフェスプロットをもう一度見てください。この曲がったグラフは、すなわち最適化において私たちが見つけた解決策を間違いなく支持しています。最もおいしいポップコーンは高いレベルでかき混ぜ、余熱をしないことで達成できます。

応答曲面計画を拡張することは、曲面をモデル化することを可能にし、計画空間の中央で何が起きているかをより把握することができます。私たちは A2 条件が中間点にフィットするために必要であることを発見しました。言い換えると、かき混ぜるという因子が曲面を作り、余熱は作らないということです。また、約 3/4 の時間かき混ぜることによって UPK を最小にすることができるが、それは味と食感をあまりにも落とすため、するべきではないことも発見しました。応答曲面法を使って、システムをより特徴付け、プロセスの知識を高めることができました。今回の場合、最初の結論が正しいことを確認しました。余熱なしで常にかき混ぜることが最善の方法です。これらの実験の結果、妻と私は Whirley Pop ポッパーを眺めているだけのことは二度としないはずです。より重要なことは、大好きな夜「ムービーナイト」から最高のものを引き出す自信を持てるようになったことです。

Brooks Henderson, DOE Consultant
brooks@statease.com

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