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Design-Expert (デザインエキスパート)
Stat-Teaser

本ページは Stat-Ease 社の許可を得て、Stat-Ease 社のニュースレターである「Stat- Teaser」2010年4月号の記事を翻訳したものです。

ポップコーンで実験計画法 (DOE)

~どうすればおいしいポップコーンが作れるかを実験する~

ブルックス・ヘンダーソン、(Stat-Ease社 DOE コンサルタント)

ポップコーンを作るブルックス氏

さあ、今夜は映画を見るぞ!妻と私はその夜を映画を見ることにしました。私たちは毎週日曜の夜は家にいることにしています。映画自体がとても面白いということは、必ずしも必須ではありません。つまらない映画を見ることになってしまっても、それはそれで楽しい夜なのです。一緒に過ごすということが重要なのですが、もちろんもう一つ、ポップコーンが重要なのです。バターと塩をまぶした完璧な柔らかい白いごちそうなくしては、映画を見ることはできません。映画はこれがないと全く違うものになってしまうのです。

1週間で最も楽しみにしている夜をめいっぱい楽しむために、ポップコーンをはじけさせる方法を実験することにしました。おいしさを最大にし、同時に、底に溜まる、はじけていない粒の量を最小にするためです。はじけない粒があるということは、ポップコーンを食べる純粋な楽しみが少しだけ短くなる、というだけのことなのですが。

実験者となった妻と私は、最も安易なもの (電子レンジ用のポップコーン) も含めて、多くの方法を試しました。結論として、ある会社のポップコーンポッパー (ポップコーンを作るための深さがあり、ふたのついたフライパンのようなもの) を使ってガスレンジの上で作ったものの味にかなうものはないと結論付けました。

設定:要素と計画の選択

このポッパーを使ったとき、様々な変数が想定されます。答えを出したい1つの疑問は「ガスレンジの前に立って、コーンがはじけている間ずっとかき回している必要が本当にあるのか?」というものです。2つ目の疑問は私の両親が言っていた「フライパンに1粒だけ置いて加熱し、それがはじけてから残りのすべてのコーンを入れる」というものです。私はそうしたことはないのですが、それによって違いが出るのか、という疑問が出ました。最後に、高級なポップコーンのもとを購入することが本当に価格に見合うか、ということを明らかにしたいということでした。以上をもとに3つの要素が明らかになりました:かき回すかどうか、余熱の時間、ポップコーンの種類、です。

私たちは2の3乗の全因子のすべての組み合わせを実験することにしました。また、3つの中間点を追加しました。中間点を持つ全因子を使うことは良い選択でした。これによって曲面の実験が可能になりました。曲面が検出されると、オリジナルのデータにいくつかの追加の実験をすることで、二次元面をモデル化するための中心複合計画 (CCD) に拡大することができます。私たちは3つの因子を2つのレベルで実験しました。

A. かき回す。0.0 から 1.0 の時間比率
B. 余熱時間。10秒から 360秒
C. ポップコーンの分類 (カテゴリー形式) 。安いものから高いもの

因子 C はカテゴリ形式であるため、指定した3つの中間点は6つになり、このカテゴリー形式の因子の各レベルに対して3つです。

中間点を使うことで、できるだけ多くの因子を数値化しようと思いました。因子A、かき回す、は少し設定に迷いました。というのも、かき回すか、かき回さないか、というだけでなく、その中間のかき回し方というのを設定したかったからです。これを数値にするために、0.0 をかき回さない、1.0 をかき回し続ける、としました。Center Point では、0.5 だけかき回すということが必要になるので、15秒かき回して、15 秒止める、という動作をすることにしました。

結果

この実験で4つの応答を測定しました。味は 1 から 5 の尺度でランク付けし、5 が一番おいしい、としました。食感も 1 から 5 でランク付けし、1 が堅く、5 が柔らかいとしました。私たちは柔らかいポップコーンが好きなので、ここでは値5が最も望ましいということになります。コーンがはじけた後、はじけずに残った粒の数を数え、これが第3の応答です。

最後の応答は、はじけた後のポップコーンのおおよその容積です。残念ながら、私たちのキッチンにはこの容積を図るものがありませんでした。おそらく結婚祝いでいただいた台所用品で唯一欠けていたものがこれだったのかもしれません。なので、だいたいを見積もることにしました。いくつかの応答が与えられたので、結論を導くための十分な要素が出揃ったようです。

かき回すかどうか、余熱をどうするかは、味と食感に大きな影響を及ぼしました。常にかき回し、余熱はしない、というのが最もおいしいものでした。かき混ぜなくてもよい、という私たちの夢は打ち砕かれました。ポッパーを作ったメーカーは、かき混ぜ機能を追加したときににはこのことを知っていたようです。一方、余熱については両親より私たちのほうが正しかったようです。ただ、1つ、注意点があります。味についての「かき回す/余熱」の応答グラフ (図1) を見てください。1.0 の割合でかき回す (グラフの右側) と、余熱がない (B-) 方がおいしくなりました。しかし、エラーバーは少しオーバーラップするため、統計的に有意であるとは断定できません。そのうちに余熱なしで十分な情報を集めようと思います。余熱があろうとなかろうと、味が変わらなければ、余熱をする必要がないので時間を節約することができます。統計的に等価であれば、より簡単、より安い選択肢が考えられるわけです。

Fig. 1: Effect of stirring and preheat on the taste response

注意するもう1つの点は、私たちが設定した中間点で検出されたフィッティングが大きく外れていることです。図1の緑の点を見てください。これらの点は高いポップコーンを使った時の中間点での結果です。本当のデータの点は、このモデルでは線の上にあります。つまり、もし、かき回し時間を全体の半分にするだけで、よりおいしいポップコーンを作ることができることになります。これは素晴らしいことです。半分の労力でよりおいしくなる!ANOVA サマリーテーブルでも、p 値 0.0058 の特徴的な曲面を示します。

特徴的な曲面は二次元面、A^2 または B^2 を追加することでより良いフィッティングを得ることができることを示しています。ただ、私たちは因子設計をしただけなので、どの面が必要かを決めるだけの情報を持っていません。どの面が正しいかを決める応答曲面法 (RSM) のための中心複合計画を得るためには、より多くの点を持つように現在の計画を拡大しなければなりません。

はじけずに残った粒に対しては、実験計画内で影響を与える因子は、因子A、つまりかき回すかどうか、だけでした。かき回せば回すほど、はじけずに残る粒の数が劇的に減っていきます (平均 73.9 粒からわずか平均 2.8 粒まで減少) 。ポップコーンの容積は、かき回すかどうかと余熱の両方に影響を受けました。味と同じように、余熱なしでかき回せばかき回すほど、ポップコーンの容積はより大きくなりました。

何がわかったか?

余熱なしでかき回し続けること (1.0 のレベル) が、最も理想的なポップコーンの味、食感、容積を実現できることがわかりました。ポップコーンのブランドは、実験した範囲では統計的に大きな違いを生じませんでしたが、何らかの影響は与えていました。これは次の実験で検証したいと思います。分析すると、味の応答に対しては、かき回しを中程度に行ったときによりおいしくなるという、特徴的な曲面を検出しました。しかし、かき回し続けると、はじけずに残った粒の数が減ります。はじけずに残った粒の数を減らすためにかき回し続けるか、おそらく味と食感を良くすると思われる、中程度かき回すかを決めるためには、手法を応答曲面計画にアップグレードする必要があります。そうすれば、中程度かき回すことをモデル化することができます。もし、同じ因子とレベルを維持したいのであれば、中心複合計画を得るために何度か余分に動作させることで、現在の計画を拡張するだけです。しかし、最終的な特徴と最適化を行うときには、今回実験していない他の既知の因子 (時間と温度) を投入したくなるかもしれません。

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