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導入事例

心不全の研究に利用されるカレイダグラフ - ゲルフ大学(カナダ)

カナダでは現在、35万人を超える心不全患者が病に苦しんでいます。他のすべての心血管疾患とは対照的に、心不全の発生率は着実に増加の一途をたどっています。検査法や医薬品の目覚しい発達にもかかわらず、心不全の診断を下された全患者のうち約半数が 1年以内に命を失っています。西洋社会の病と考えられていた心臓の病、とりわけ心不全は、いまや開発途上国においても急速に広まりつつあります。

ゲルフ大学に属するオンタリオ獣医科大学 (Ontario Veterinary College at the University of Guelph) では、心不全のメカニズムの研究と新たな治療法の開発が進められています。大学の研究者は以下に示す3つの研究テーマに関心を向けています。

  1. 心筋運動と Z 盤より発生する心筋細胞内シグナルのコントロール
    Z 盤 (Z-Discs) とは、筋肉組織内に縞模様の外観を形成する要素です。長いあいだこの組織は、非活動的で、単なる構造的な要素として看做されてきましたが、Z 盤タンパク質のひとつ CapZ を操作することによって、効果的な治療の可能性がみられることがわかりました。具体的には CapZ を減らすことによって、心不全の人間や動物で起こる心機能の悪化を抑制し、進行を遅らせ、病状を回復に向わせる研究が進められています。


  2. リラキシン (Relaxin) による筋フィラメントのコントロール
    リラキシン・ホルモンは、これまでに妊娠時に分泌されるホルモンとして知られていますが、その働きは、女性の生殖器官によって制限されるものと考えられていました。しかし、最新の研究によると、このリラキシンの血中濃度は心不全の患者においても増加していることが分かりました。ただし、この変化が良性なのか悪性なのか、はっきりとしたことは分かっていません。研究者はこの問題の解明に向けてリラクシンを用いた心筋の実験とその働きに関する効果の研究を進めています。

  3. ステロイドホルモンの心筋メカノエナジェティクスへの効果
    心臓病の発生について男女間に差があることは、長年知られていますが、その発生頻度は年齢によっても変化します。若い女性は若い男性に比べると、一見したところ、心血管の病には罹りにくいように思われがちですが、年齢を重ねるごとに、この差はなくなり、場合によっては逆転の現象すら見うけられます。ホルモン治療による心血管疾患の予防や治療の可能性についてはこれまでに多くの研究がなされてきました。研究者は、女性ホルモンのエストロゲンと男性ホルモンのテストステロンが心機能の変化にどのようにかかわるのか、ホルモンがどのようにして効果を生み出すのか、こうしたメカニズムの解明をめざす一連の研究を進めています。

筋活動の研究におけるカレイダグラフの使用

研究の現場では、グラフの作成とデータの分析にカレイダグラフが利用されています。シグナル伝達分子が筋機能にどう影響を及ぼすかを解明するためです。シグナル伝達分子の働きは心不全に関係するため、研究では図1に示すように筋肉に対する分子の影響が何であるのか (すなわち、それによって病が発症するのか、あるいは、補償作用が起こるのか) を調べます。処置法の種類によってシグナルの働きにどのような違いが出るかを示したのが図2になります。

図1
図2

カレイダグラフは、筋活性曲線のプロットと得られたデータの統計解析に使用されます。カルシウムが筋肉に取り込まれると反応が始まり、活性を示すシグモイド (S 字型) 曲線が形成される訳ですが、この曲線を形成するデータのフィッティングにカレイダグラフを使用します。カレイダグラフは、筋肉の活動がどのようであるかを説明する一連の数値(最大・最小・勾配・中央値)を出力し、出力されたデータは (すべての中央値などに)分類され、カレイダグラフの統計機能によって解析がなされます。

「我々の研究では、シグモイドグラフのプロットと Hill 近似式による回帰分析が欠かせません」と、ゲルフ大学助教授でカレイダグラフ使用歴7年のグレン・パイル博士は語ります。「グラフ作成プログラムは他にもありますがその多くは、シグモイド型のデータポイントを思うようにうまくフィットできないんです。曲線を作るのにわざわざ表示する変数を少なくしていたものです。」

「カレイダグラフは、印刷物として入稿可能な高品質の図表を作成できる点は、もちろん便利ですが、そればかりでなく、データのプロットから統計分析に至るまで我々に必要な作業はすべてこれだけでまかなえる点も大いに気に入っています。カレイダグラフを使う以前は、グラフはグラフソフト、統計は統計解析ソフトという具合に別々のプログラムを使用していました。場合によっては、使用する統計手法にあわせてさらに複数のプログラムを使い分けていたほどです。」

パイル博士 (Dr. Glen Pyle, Assistant Professor, University of Guelph) はご自身の研究を American Journal of Physiology 誌と Journal of Molecular and Cellular Cardiology 誌に発表されています。 より詳細な情報は、www.uoguelph.ca/~gpyle をご覧ください。

カレイダグラフは、1988年に発売されて以来、科学分野における幅広いユーザーの声を取り入れて開発が続けられています。各分野のユーザーの声はこちら
脳のメカニズム分析に活用
「我々は KaleidaGraph を使って人間の脳内電気活動を表す時間-電圧プロットを素早く作成しています。」(米ライス大学心理学研究室)
ワシントンの水質監視に利用
「このグラフ作成ソフトの統計的機能と柔軟な操作性により、判定基準の理論的根拠を視覚的に分かり易く示しています。」(米国政府・規制当局)
地震調査の画期的研究に活用
SETI 研究所の科学者フリーデマン・フロイント博士は、カレイダグラフの 10年来のユーザーです。カレイダグラフを活用して重要な研究結果を国際的な科学会議で報告しています。
心臓病のメカニズム究明に利用
心不全のメカニズムの研究するカナダのゲルフ大学助教授・グレン・パイル博士はカレイダグラフの7年来のユーザです。「データのグラフ化から統計分析まで我々に必要な作業はすべてこれだけでまかなえる点が大いに役立っています」と語ります。
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